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「どうか自分の心を美しく磨き続けてください」

稲盛和夫氏が日本医学会総会で訴えたメッセージ

2015年6月3日(水)

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 全国約1800病院の経営力を分析した「病院経営力ランキング」を含む『日経ビジネス』「日本の医療を救え」特集連動連載の第3回。京セラの稲盛和夫名誉会長は2015年4月13日、京都国際会館で開かれた日本医学会総会で「医学と倫理-利他の心で世のため人のために尽くす-」と題して講演した。本記事では稲盛氏が語ったポイントを紹介する。

 私は医学の素人でありますが、今日は50数年に及ぶ企業経営と83年の人生経験の中からいくつかのお話をさせていただきます。

医学会総会で稲盛氏は「医療にかかわる皆さんも、どうか自分の心を美しく磨き続けてください」と訴えた(写真:山田 哲也)

 医療とはヒポクラテスの時代から常に高い倫理を求められる分野であります。洋の東西を問わず、医学・医療に携わる人間には高度な倫理観が求められるのです。倫理とはすなわち、己の利益ではなく他人の利益を優先して考えることだと思います。

 クローン技術などに見られるように、今や人類は神の技を手に入れ、それを自由に使い始めました。こうした技術は悪用することもできます。ですから、高度な技術を身に付けた人には正しい考え方、すなわち哲学を持ってもらい、利他の心で世のため人のために尽くしてもらわなければなりません。

 では正しい考え方とはなんでしょう。私はこれまでの経営経験から一つの方程式にたどり着きました。人生の結果とは、その人が持つ思想・哲学と、熱意と、能力の掛け算だという方程式です。掛け算ですから、どれか一つがマイナスだと全体がマイナスになってしまいます。ですから、高い能力のある人が悪い哲学を持つと、能力があればあるほどマイナスが大きくなるのです。

 悪い哲学とは、恨み、妬み、虚栄心などを指します。高い能力を持った人が大いなる熱意を持って仕事に取り組んでいたのに、魔が差してマイナスの哲学を持ってしまったがために没落していった例を私は何度も見てきました。

 繰り返しになりますが、現代のバイオ技術などは神の領域に達しています。そこに不純な心、私心が入ると、周りが見えなくなってしまうかもしれません。そういう分野にかかわる人々には、常に人間として正しいことを貫く哲学、基本的な倫理観を持ってもらわねばならないのです。

 それは理想論だとおっしゃるかもしれません。しかし世のため人のために尽くすという利他の心には実に強大なパワーが備わっています。

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「「どうか自分の心を美しく磨き続けてください」」の著者

大西 康之

大西 康之(おおにし・やすゆき)

ジャーナリスト

日本経済新聞産業部記者、欧州総局(ロンドン)、日経ビジネス編集委員、日本経済新聞産業部次長、産業部編集員などを経てフリーのジャーナリストに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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