会社の経営数字を見る場合に、案外邪魔になるものがあります。それは、普通に生活している自分自身の、「個人」の常識。お金に対する考え方は、会社の場合と個人とでは、前提が異なることが多いからです。そのギャップを埋めて、社長の脳みそ、すなわち「経済脳」で考えてみよう、というのが今回のFlashです。
それではどうぞ!
いかがだったでしょうか。ここからは文章でご説明しましょう。
個人が生活のために使う場合と、会社が使う場合とで一番違うのは、「お金を儲けるために借入金を使う」という考え方の有無です。殿様が、自分が住むためではなく、賃貸用にお城を買う、なんて話は、そもそもあり得ないことですが、それでもくどいくらい「貸して儲ける」と強調しているのは、そこを頭に入れて頂きたいからです。
借金で儲ければ、ROEは上昇する
借金にはマイナスのイメージがどうしても大きいのですが、お金を儲けるという視点からは、これは儲かりそうだ、という機会があれば、手持ちだけでなく、よそからお金を借りて儲けを増やすという考え方は、個人でも企業でも出てきます。例えば、オークションで5万円で右から左へ売れているデジタルカメラが、たまたま特売で3万円で売られていたらどうでしょうか。「手持ちのお金だと1台しか買えないけど、10台買ったら20万円の儲けだ」と、キャッシングで借りてまとめ買い、とか、つい考えてしまいそうです。
今回の例では、儲けの絶対的な金額はB(借入金が多い)の方が少ないのですが、株式を公開している企業は、株主から、自分が投資したお金を効率よく儲けにつなげているかどうかを、「ROE(利益を株主資本=自己資本で割ったもの)」で評価されます。個人とはここが大きく違います。
なお、株主資本(自己資本)とは、「株主が出資した(=株券を買った)お金」と「毎年の利益の蓄積」の合計で、その持ち主は株主です。自己資本というといかにも自分(会社)のお金のように思えますが、実は違うわけです。以前は「自己資本」という呼び方が一般的でしたが、株主を意識するようになって、呼び方が「株主資本」に変わってきたようです。
というわけで、「うちは無借金経営だ」と、安定性を誇っていても、ROEが低すぎると株主からは「借り入れをすればもっと儲かるのに、経営陣はその機会を捨てている。我々のお金の活用方法が非効率だ」と見られかねません。経営者はその目配りを忘れるわけにはいかないのです。
儲からなければ「レバレッジ」は逆に効く
このように、借入金を使って儲けを増やす方法を、「レバレッジ(てこ)を効かせる」、と言います。小さな元手で、大きな利益を作り出せる、という意味が込められています。
とはいえ、ここまでを聞いても、やはり感覚的には借入金にメリットがあるとは受け入れがたい方もいらっしゃると思います。最初に申し上げた、企業と個人のお金に対する立場、考え方の大きな違いがあるからです。それは何でしょうか。
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