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タケダ 改革は「お荷物」「窓際」部門から始まった

全社一丸で取り組んだ知財戦略

  • 眞木 和俊

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2006年6月30日(金)

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今回のザ・チェンジエージェントが注目するのは製薬企業の武田薬品工業(以下タケダ)のMPDRAPである。これは新薬の名前ではない。これはれっきとした経営戦略である。この6文字に込められた意味は深い(図1)。

 ご承知のとおり、タケダは現在、売り上げ規模が日本一の製薬メーカーだ。製薬メーカーの命脈は研究開発力にあって、他社よりも早く効果の高い医薬品化合物を発見し、安定供給できるかどうかに、その成否がかかってくる。タケダは、この熾烈な開発競争を勝ち抜くことで現在の地歩を築いてきた。

 しかしながら、いかに日本一を誇るタケダといえども、ファイザー、メルクといった列強が居並ぶグローバル市場に打って出るためには、これまでとは異なる戦略が必要となる。そこで、タケダがグローバル市場を目指して、全社一丸となって取り組んでいる経営戦略がMPDRAPである。

 全社一丸というのは、M(Marketing:営業)、P(Production:製造)、D(Development:開発)、R(Research:研究)、A(Alliance:連携する)、P(Patent:知財)という製薬メーカーの機能部門をすべて含むからである。MPDRAPは、各部門がお互い連携することにより、企業全体としての製品開発力を高め、競争力を強化しようという戦略なのである。
 
その中において、知財部門は、研究部門で生み出された新薬に関する特許を申請したり管理したりすることのほか、知的財産を有効に活用することが業務の中心で、タケダではかつては特許部が、現在では知的財産部がこの業務を担当している。

 医薬品化合物の特許や製造ノウハウといった知的財産は、製薬会社の競争力に大きなインパクトを与える。他社より先んじて権利化しておくことはいうまでもなく、後発品や競合品への「攻撃」や「防御」のための強力な手段となる。

 また、医薬品事業において、製品の基本特許を押さえることは、未来の企業収益を約束することに等しい。なぜなら、家電や自動車などとは異なり、一つの医薬品は原則一つの基本特許から構成されるためだ。取得した基本特許の数で売り上げや収益が決まるといっても過言ではない。もし他社の特許を使おうとすれば高額なライセンス料が発生する。

研究開発と知的財産の融合

 MPDRAPが具体的な戦略として実行される前、タケダは1994年に「日本発の研究開発型世界的製薬企業」を目標に掲げ、具体的な施策として、研究開発と知的財産を融合することを経営戦略とした。前述したとおり、製薬メーカーの研究開発と知的財産は不可分の関係のはずだが、実は研究開発と知的財産管理の一体化を掲げたのは国内ではタケダが最初だという。

 そこには、次のような背景があった。

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