私がこの「キャリモテ」の原稿を書こうと思ったきっかけは、ある女性の一言。「若い頃はね、自分を磨いていい女になればなるほど、いい男が寄ってくると思っていた。でもそれは大間違いよ。誰かもっと早く教えてくれればよかったのに」…。
その人は一世風靡した元モデルさんで、後に起業した。顔よし、スタイルよし、センスよし、頭もよくて家柄もいい。誰が見ても非の打ちどころのない「いい女」。そんな彼女でも「納得のいく結婚」に出合うには、苦労したとか。そこで、最初のセリフが出たわけだ。「いい女になればなるほど、いい男が寄ってくるなんて大間違い」という一言に深くうなずいた私も、気がついていた。「そうだ。日本女性の進化に男性はついてこられなかったのだ」ということに。
このたび発表された2005年の国勢調査で、1960年代生まれの女性の結婚への動きが前回調査(2000年)と比べてどうなったか見てみた。
結婚しない、60年代生まれの女性たち
まず1960年代後半の生まれ、つまり前回調査時(2000年)30代前半だった女性は30代後半になっているが、未婚率は2000年で26.6%だったのが2005年では18.6%とあまり減っていない。つまり、5年経っても当時未婚だった女性のうち7割の女性が未婚のままだ。彼女たちが今、“負け犬”として最も活躍している「雇用均等法第1世代」であり、酒井順子さん(コラム第1回の注4参照)の同級生世代でもある。
また1960年代前半の生まれ、つまり2000年に30代後半だった女性のうち、当時の未婚組は13.8%だったのが、2005年には12.2%とほとんど変わらずに40代に突入。この世代は女性誌「STORY」(注1)の、黒田知永子さん(注2)世代と重なる。この世代が10人集まったら、そのうちの1〜2人は独身ということだ。
1960年代生まれの女性の結婚率が、5年間でどのくらい動くのか一番気になっていたのだが、予測通りの結果となった。なぜなら、私の周りでもこの世代はほとんど結婚していないから。つまり60年代生まれは「日本の史上初の、一番結婚しない人たち」になりそうだ。
いったい、この現象はなぜ起きたのか? “負け犬世代”は仕事に邁進しすぎたとか、エビちゃん(コラム第2回の注4参照)みたいな格好をせずに、キャリアスーツばかり着ていたからだとか、いろいろ言われてはいるが、一番の原因は「男に期待しすぎた」のだと私は思う。
周りの独身女性たちと話していると、「(結婚したい男性は)尊敬できる人」というキーワードが必ず出てくる。実は“負け犬世代”が望んでいるのは「男女同権」の男なんかじゃない。仕事バリバリの“負け犬世代”から見て、さらに「仕事でもそれ以外の点でも、自分よりも上の男」が好みなのだ。
この好みは、彼女たちの母親世代から刷り込まれたことなので、どんなに女性が強くなり経済力がついたとて、刷り込みからなかなか逃れられない。この世代の女性たちは、「私たちが頑張っていい女になれば、男ももっと頑張っていい男になるはず」と期待していた。女性と一緒に男性も成長していくものと信じて疑わなかったのだ。
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