「経済Flash」

経済Flash

2006年11月8日(水)

あなたのお金もファンドが動かす
銀行に預けたから安心…と思っていると?

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 経済タームのイメージをFlashの動画で掴み、テキストで理解する「経済Flash」。今回のテーマは「投資ファンド」。それではFlashをどうぞ!



 投資ファンドには、投資のプロ(運用者)と、そのプロに自分のお金の運用をお願いする投資家、この2種類の人たちしか存在しません。非常に簡単です。「運用者が投資のプロなのであれば、自分ひとりで投資活動を行い、1人でガンガン利益を稼げばいいじゃないか」と思うかもしれませんが、自分1人で持っているお金だけで運用するより、たくさんのお金を運用したほうが効率的な投資ができます。

 したがって、投資の得意な人は自分ひとりで運用するのではなく、投資家からお金を預かって彼らのために運用をしてあげて、利益の一部を成功報酬という形で受け取ることを選択します。運用金額が大きければ、より効率的に利益を上げることができますので、そこから成功報酬を得る方がメリットがあるという判断です。

人のお金を使う方が見返りが大きくなる

 例えば、100億円を預かって、20億円のリターンを上げたとします。この20億円は投資家から見た場合は利益になりますが、20億円の利益を稼いでくれた運用者に成功報酬として利益の分け前をあげることになります。成功報酬の割合は、事前に投資契約書で定められています。よくあるのは利益の20%とかです。20億円の20%である4億円は運用者の報酬となり、残りの16億円の利益を投資家で分けることになるのです。

 運用者が自分ひとりで1億円を運用し、4億円の利益を上げるのは至難の業。しかし、このように投資家からお金を預かりそれを運用することで、より稼ぐことができるのです。この他にも投資先の選定などにかかる手数料などを、管理報酬として毎年受け取ることができます。

 桐生院妙子さんも、自分1人でも儲けられるけれど、社員みんなのお金を運用した方が自分にもみんなにもメリットが大きいと判断し、はた迷惑にも社長を口説き落としたわけでしょう。

 資金がまとまることには、別の利点もあります。もはやちょっと懐かしい気もしますが、村上ファンドの例が分かりやすいかと思います。1億円を持っている人がある会社の株を購入し、やれ配当を上げろ、自社株買いをしろと迫ったところであまりインパクトはありません。所詮はひとりの株主です。ところが、1000億円を持った人が大量にある会社の株式を購入すると、その会社に与えうるインパクトは絶大になります。

 ここまでのお話からは、運用者になるというのは非常においしいビジネスのようにも思えるかもしれません。どうせなら、お金を持っている投資家も、自らが運用者になればいいじゃないか、と。

 しかし、運用者になることはなかなか難しい。最初の運用資金集めからして難題です。やはりどんな投資家も確実に儲けたいと思っていますので、自分のお金の運用を任せるに当たってはその運用者の実績を非常に重視します。

 従って、どの運用者も最初は小額で運用を開始し、着実に実績を重ねていきます。そして、ある程度の実績がついたところで「これこれの実績があるので私に運用を任せてください」と、いろんな投資家を行脚し資金を集めていきます。運用資金が大きくなると、それがさらに大きな実績になっていくので、成功を重ねることで雪だるま式に、預けたいと思う投資家が増えていくことになります。

 逆に言えば、一度運用で大きな損を出したりすると、実績面では相当不利になり、資金調達でも困難が生じます。運用者にとって失敗をすることは、運用者としてのキャリアが終了してしまうことになります。

 こういう運用者と投資家という2つのタイプの人が存在することで、投資ファンドが成り立ちます。

投資ファンドが「投資信託」より儲かるのは

 普段私たちが、証券会社を初めとする金融機関で販売されている投資信託の商品やMMFを購入しているのは、実は「投資家」と「運用者」の関係、つまり投資ファンドと同じ構図です。金融機関が私たちから集めたお金を運用しているのです。

 同じ投資家&運用者という構図なのに、どうして私たちの投資信託では数パーセントのリターンで、投資ファンドでは数十パーセントのリターンなのでしょうか。それは、投資思想、投資対象、そして投資手法が異なるからです。

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著者プロフィール

保田 隆明(ほうだ たかあき)

リーマン・ブラザーズ証券、UBS証券にてM&Aアドバイザリー、資金調達案件を担当。2004年春にソーシャルネットワーキングサイト運営会社を起業。同事業譲渡後、ベンチャーキャピタル業に従事。
2006年1月よりワクワク経済研究所LLP代表パートナー。現在は、テレビなど各種メディアで株式・経済・金融に関するコメンテーターとして活動。著書:『OL涼子の株式ダイアリー恋もストップ高』(幻冬舎)、『投資銀行青春白書』(ダイヤモンド社)、『投資事業組合とは何か』(ダイヤモンド社)、『図解 株式市場とM&A』(翔泳社)、『恋する株式投資入門』(青春出版社)。ブログは http://wkwk.tv/chou

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