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【第6回】“モテ”と“キャリア”の歴史その5

夫婦年収合算、リスクヘッジカップルが幸せへの近道?

  • 白河桃子

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2006年11月14日(火)

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 前回は、ごく一部の「モテ資源」を持つ男性たちに群がるエビちゃんOL軍団という、恋愛難、結婚難時代の構図を分析してみた。日本が一夫多妻制にならない限り、多くの敗者を出してしまいそうな不毛な戦いから抜け出して、新たな時代の幸せの法則を探すにはどうしたらいいのか…?

 それには「年収2倍の法則」(注1)を捨てて、「年収合算で幸せカップル」の路線が幸せへの近道ではないだろうか? 家族社会学の山田昌弘先生(東京学芸大学教授)によれば、「日本では、夫が家計を支えるべきと考える人が7~8割ぐらい。同じ質問を欧米ですると、そう思っている人は1割程度しかいない」(「プレジデント」2006年3月20日号のインタビュー)ということだ。

 男女雇用機会均等法施行から20年、働く女性は増えても「定年までしっかり働こう」と思っている女性はそうはたくさんいない。負け犬世代だって、「腰かけ総合職」(注2)や、「自己実現のためには働くが、生活のために働きたくない」という人は大勢いた。特に今の30代前後は、そのあたりがとっても曖昧なのだ。

 「定年まで働こうとは思っていない。だんなになる人にはしっかり働いてほしいけれど」「うーん、相手次第ですねえ。私が働かなくてもいいだけの収入のある人との結婚だったら、“ちょっと休んで子育て”にも魅力を感じています」「今一生懸命仕事をするのは、いずれ出産で辞めることもあるかもしれないから。悔いがないようにしておきたい。もちろん結婚しないかもしれない可能性も、考えていますよ」。いずれも団塊ジュニア世代の未婚女性たちのセリフである。

 もちろん仕事に恵まれ、一生働いていきたいという女性たちもいる。「一生キャリ派」が2割ぐらいとしても、6割ぐらいが「彼の年収次第、状況次第」という「フレキシブル派」、あとの2割ぐらいが「子育ては自分で、お金は夫が稼いで派」のような感じがする。この中間層のフレキシブル派の声は、杓子定規なアンケートでは出てこないのだ。

 「稼ぎは夫がメインで」という意識を変えるためには、女性たちが働き続けられる環境、働き続けたいと思えるモチベーションが必要になる。そのために変わらなくてはならないのが、まず日本の会社の風土。

 日本では女性の本格雇用、活用はここ1~2年で、やっと盛んになってきたばかり。つい3年前に某家電メーカーの労組部長の口から「ただでさえリストラをかけているんだ。女性たちには、結婚出産して早く退職してほしい」という言葉を確かに聞いていたのに、いまや「優秀な女性の労働力を確保するためにも出産退社を防がなくては」という。今までは「お荷物」扱いだったのに、急に「優秀な人材」とされる女性社員。手のひらを返したようにコロリと変わっている。

 まあ、この「コロリ」感にはちょっと気持ちの悪さを感じるが、制度面は国を挙げて変わりつつあるので、女性活用の企業の本気度には希望は持てる。求められ、評価されるとどんどんモチベーションが上がるのが女性。だから女性をやる気にさせる上司や会社の風土は、本当に重要なのだ。

女性をやる気にさせる上司の必要性

 やる気にさせる上司のおかげで、「自分はいくらでも代わりの利くただの事務職と思っていたけれど、新しい上司が細かく見ていて褒めてくれる人で、いつの間にか仕事に対する気持ちが前向きになった」という女性もいる。ジョヤンテ代表取締役の川崎貴子さんも「打ち上げ花火ではなく、毎日の水やりで女性を伸ばす」と、女性の部下の扱い方を書いている(『上司の頭はまる見え』サンマーク出版)。

 ただ女性活用の機運は、今のところ大企業のみが恵まれていて、さらに都会のみにチャンスがあるのが、今後の大きな問題だろう。特に地方の雇用状況はひどく、あるセミナーに参加してくれた東北地方の未婚男女たちが「男性は低年収」「女性は非正規社員」と言う現状に、救いのなさを感じた。

 特に女性は、都会で働いていても何らかの事情で故郷に帰った途端、または最初の仕事を何らかの事情で辞めた途端、非正規雇用から抜け出せない現状があったのだ。そして女性たちも「自分の仕事がちゃんと安定しないうちは、結婚なんて…」と、結婚に消極的。経済の元気のないところには、結婚だって見つからないのが、今の日本の地方の少子化問題でもある。

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