「U35男子マーケティング図鑑」

第9回 ツンデレ男子

有能さと子供っぽさの両立、多面的人格でストレス脱出?

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2006年11月17日(金)

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 「オタク」はもちろん分かるし、「萌え」もなんとか知っているという方も、「ツンデレ」はまだご存じではないかもしれません。

 ツンデレとは、もともとは、恋愛アドベンチャーゲーム(ギャルゲー)から来たもので、「ふだん、人前ではツンツンしたつれない態度をとるのに、状況が変わったり、2人きりになったりすると、態度が急わってデレデレといちゃつく」というキャラクターなどを指す言葉です。

 これまでも、「メガネっ娘」「猫耳」「メイド」「妹」などが、「萌え」の対象となってきましたが、「ツンデレ」は、ふだんと違うギャップがあるのが魅力で、人気のある「萌え属性」になっています。

「ツンデレ男子」が好きな女子たち

 日本でも、人前でベタベタするカップルや、路チュー(編注:路上でのキス行為)がずいぶんと増えてきたとはいえ、欧米のように、どこでも、誰でも、路チューとまではいきません。

 そもそも、カップルでいることをアピールする文化である欧米とは違い、日本では人前でベタベタするカップルに対しては「みっともない」「だらしない」という批判が多いものです。

 そんなこともあり、日本ではカップルの醍醐味は「2人きり」を楽しむことです。

 だからこそ、外ではツンツンしているのに、自分と2人きりでいるときだけデレデレしてくれる「ツンデレ女子」は、男子の萌え心を満たすのです。

 そして、女子のなかにも、「ふだんはちょっと無愛想だったりするのに、2人きりになると急にデレっとする」「ツンデレ男子」に萌えるという人も多く存在するのです。

 ジャニーズで今一番人気といえるKAT-TUNの亀梨和也も、ツンデレ男子といえるでしょう。

 亀梨くんはいかにもツンデレ。いつも不機嫌そうでいて、ときどき垣間見える甘えんぼうそうな表情が女子の心を引きつけています。

 ジャニーズには、東山紀之や堂本光一などの王子様系、木村拓哉などの正統ハンサム系、山下智久などのかわいい系がいましたが、ツンデレが新しい王道になってきているのかもしれません。

 また、最近の「メガネ男子」「スーツ男子」ブームも、「メガネやスーツを身につけているときは、ツンなのに、それを外すとデレになるギャップがいい」という女子たちが、支えています。

 そもそも少女マンガにも、「照れ屋さんだけど、私にだけは優しい彼」というキャラクターはよくでてきますから、ツンデレ男子が好きな女子というのは昔から存在したのでしょう。

ツンデレ男子は恋愛好き

 ツンデレ男子も、誰に対しても心を開いたり、甘えたいわけではありません。

 彼らは、人間関係に対してある意味ではクールなところがあります。

 いつでもどこでもデレデレするのはみっともなくていやだけど、彼女の前ではせめて、デレーっとしたいのです。

 だから、ツンデレ男子は恋愛が大好き。

 それも、合コンやナンパをしまくって、彼女がいても二股して、といったものではなく、2人きりを存分に楽しむ恋愛です。

 彼らは2人きりが大好きなので、カラオケボックスには2人で入り、漫画喫茶でも当然カップル席。

 2人きりになれるドライブも大好きですし、ファミレスのボックス席にも向かい合って座るのではなく「並び座り」して、2人の世界を作っています。

 そして、ツンデレ男子の彼女へのメールは、絵文字が多いのも特徴です。

 たとえば旧世代の男性が、彼女へ手紙を書くときに「ハートマーク」を書くということは、ほとんどなかったでしょう。

 しかし、ツンデレ男子は、彼女へのメールに「今仕事終わって、待ち合わせ場所に向かってるよ(ハート)」などと、ハートマークを使いまくります。

 パソコンメールは絵文字が使えなくて、いまいち気持ちが伝えられないから、彼女へのメールには向いていないと思っているのです。

 携帯電話の番号ポータビリティーで、キャリアを変更するかどうか悩んでいるときも、メール好きの女子や、彼らが気にしたのは「ドコモだと使えていたあの絵文字が、auだと使えなくなるといやだなあ」ということだったりしました。

 また、ツンデレ男子は、彼女がいてもいなくても、ペット好きが多いのも特徴です。

 彼らは、1日の出来事を、ペットに語りかけたりするのです。

 人間よりもペットに心を許しているツンデレ男子もいるくらいです。

 彼らは彼女やペットの前では泣いたりもします。甘えられる相手の前で泣くことで、心のバランスをとっているのですね。

キレ者や人間嫌いの多いツンデレ男子

 ツンデレ男子は、普段はきびきびと働いていて、仕事ができたりします。

 「あの人って、仕事もできるし、なんかコワイ人だよね」と同僚から言われているような、キレ者タイプがツンデレ男子なのです。

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著者プロフィール

深澤 真紀(ふかさわ・まき)

深澤 真紀

コラムニスト・編集者。企画会社タクト・プランニング代表取締役社長。1967年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。卒業後、いくつかの出版社で編集者をつとめ、1998年、企画会社タクト・プランニングを設立。日経ビジネスオンラインで2006年に「草食男子」や「肉食女子」を命名、「草食男子」は2009年流行語大賞トップテンを受賞し、国内だけはなく世界で話題になる(『草食男子世代−平成男子図鑑』(光文社知恵の森文庫)に収録)。日経ビジネスオンラインの連載をまとめた『自分をすり減らさないための人間関係メンテナンス術』(光文社)、『考えすぎない生き方』(中経の文庫)、『女はオキテでできている―平成女図鑑』(春秋社)など著書も多数。そのほかの連載に、「深澤真紀の平成働き女子のための処世術」、「深澤真紀の草食の時代」、「草食男子も悪くない」など。



このコラムについて

U35男子マーケティング図鑑

「最近の若い男は本当にダメだな」「最近いい男がいないよね、使えないし」「最近の若いやつらにはなにが受けるか分からない」。よく聞く話ですが、本当に最近の若い男性は、そんな存在なのでしょうか?もしかしたら、彼らと付き合う側が、彼らの行動原則をきちんと見ていないことにも、原因があるのかもしれません。この連載では、団塊ジュニアをはじめとした1970年以降に生まれたUNDER35世代を、「U35男子」と名付け、その生態や行動原則、活用法などを考えていきます。

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