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第11回 ツッコミ男子
~「空気」が大事なバラエティの申し子

  • 深澤 真紀

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2006年12月1日(金)

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 ここ数年のお笑いブームは、まだ続きそうな勢いです。

 いまや、お笑い芸人は、お笑いやバラエティーだけでなく、役者としても活躍し、歌手としてもヒットを出し、小説やエッセイではベストセラー、ニュース番組やスポーツ番組のキャスターも務め、ファッション・リーダーだったりもします。

 女性芸能人との結婚や交際発覚も続き、「お笑い芸人ばかりなぜもてる?」という特集もよく見かけます。

 志村けん、ビートたけし、明石家さんま、ダウンダウン、とんねるず、ナインティナイン、ロンドンブーツ1号2号、最近の数多くの若手芸人まで……、

 今やお笑い芸人は笑われる存在ではなく、リスペクトされる存在にもなっているのです。

 U35男子は、小さな頃から、数々のお笑い番組やバラエティー番組を見てきました。

 彼らは、お笑い芸人のキャラや人間関係、芸人同士の隠語などを、身近なものとしてとらえてきました。

 そんな彼らにとって、お笑いやバラエティーのように、「ノリがいいこと」、「空気を読めること」、「キャラがたっていること」、「オチのある話をすること」、「うまくツッコミができること」は、とても大事なことなのです。

 こうした影響を強く受けた男子を、「ツッコミ男子」と呼びましょう。

「空気」と「キャラ」が大事なツッコミ男子

 「ノリが悪い」「空気が読めない」「キャラがない(弱い)」というのは、今時のU35男子にとっては、なんとしても避けたいことです。

 そして、「イタい」「サムい」「キモい」「ウザい」といわれたら、致命的です。

 ツッコミ男子は、そう言われないように、そのときどきの人間関係の中で、自分のキャラ、立ち位置を読んで、場になじんでは、他人にどんどんツッコんでいきます。

 この連載の第1回でも取り上げた、ドラマ化された小説「野ブタ。をプロデュース」も、男子たちの空気感を取り上げた話です。

 ドラマでは女子になっていますが、原作では、イケていない「野ブタ」というあだ名の男子を、クラスの人気者にプロデュースします。

 それがある日、ちょっとしたことから、プロデュースしていた人気者だった男子のほうが嫌われるようになるという、高校生たちの姿を描いたものでした。

 また今年、野性時代青春文学大賞をとった『りはめより100倍恐ろしい』という小説があります。

 このタイトルの意味は「(いじ)りは(いじ)めより恐ろしい」というもの。

 本の帯には、「いじられたら、それでおしまい。ここは戦場なのだ。」とあります。

 中学でいじられキャラ男子が、高校に入り、なんとかいじりキャラ側になったものの、またいじられるようになるというものでした。

 この2つの小説は両方とも、同世代の男子作家によって書かれたのですが、人気のある人間、いじられる人間の関係があっという間に変わってしまうという、とてもリアルな男子の空気感を描いています。

ツッコミ男子は女子にもてる

 現代において、ツッコミ男子は、男子からも女子からも、人気があり、もてる存在です。

 お笑い芸人でいえば、明石家さんま、島田紳助、ダウンタウンの浜田雅功、ロンドンブーツ1号2号の田村淳。

 彼らの共通点は、「踊るさんま御殿」、「行列のできる法律相談所」、「ダウンタウンDX」、「ロンドンハーツ」など、バラエティー番組の司会者として、多くの出演者に、話題を振り、的確にツッコんでいく、ということ。

 「ツッコめる」「場を回せる」ことこそ、頭がよくて、イケていると思われる時代なのです。

 たとえば、若手芸人の中では、ロンブー(編集部注:ロンドンブーツ1号2号の略称)の淳は、特にツッコミ男子からリスペクトされる存在です。なぜか?

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