• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

病院改革に学ぶ次世代リーダーの条件

マツダ病院(後編)

  • 眞木 和俊

バックナンバー

2006年12月19日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

最初の取り組みは「紹介率アップ」

 マツダ病院の院内業務変革活動は、2001年から体系的な取り組みが始まった。その最初のテーマとして取り上げられたのが、地域にある診療所や小規模医院からマツダ病院へ患者を紹介してもらう割合、つまり“患者紹介率”を高めるプロジェクトだった。

 患者紹介率は、地域連携を必要とする他の医療機関からどの程度評価されているかを示すものとも言え、地域の基幹病院にとっては重要な指標の1つである。しかし、当時のマツダ病院では、あまり高い数字になっていなかった。

 「グラフ(図3)をご覧いただくとお分かりの通り、その当時の紹介率は14%程度と、お世辞にも高いとは言えませんでした。加えて、急性期加算指定病院*に認定されるためには紹介率を2年以内で30%まで高めなくてはならなかったのです」

(*注:急性期加算指定病院とは、救急医療はじめ重篤な患者の入院治療などを目的とした保険点数の加算を認められた病院を指す)

図3 紹介率の推移

 いくら必要とはいえ、いきなり現状値の2倍近い目標を定めるのは無謀と考え、最初の3カ月では20%達成を目指した。その後25%、30%と、約1年かけて段階的に取り組むという計画を立てた。

 「実は関係者を集めた最初の会議で議論になったのは、“紹介率”の定義でした。紹介率とは、紹介状持参患者様と救急搬送された患者様の合計数を初診患者数で割った値なのですが、どこまでが初診扱いなのかが曖昧だったのです。ですから、まず全員で“初診”の定義を明確に決めて合意しました」

 普段から当たり前だと考えていた言葉の定義一つ取っても互いに考えが異なっていたと言うメンバーの“気づき”は、その後のプロジェクト活動にも生かされ、これまでにはなかった取り組みをも生むことになった。

 「それまでは、各診療科の部長クラスが地域の開業医を訪問することなど考えられなかったのですが、診療科目ごとに紹介率を明らかにした結果、部長自らが開業医に“営業訪問”して紹介依頼をするという施策が実現しました」 

 さらに、こうした営業訪問の効果を高めるための“営業ツール”として、ポケットサイズの病院紹介パンフレットを作成したり、開業医向けのアンケートを実施したりするなど、従来の発想に縛られないアイデアがメンバーから多く提案され、実行に移された。

 3カ月後の結果は、わずかに目標値の20%には届かなかったものの、親会社の担当トレーナーが社内のベストプラクティスとして紹介するほど絶賛されたという。その後もプロジェクトは継続され、グラフでも分かる通り当初に目標としていた紹介率30%は既に実現し、いまや40%を超える勢いで推移している。

 「ほとんどの職員は紹介率30%など到底無理だと思っていたはずです。しかし、院長自らが参加し、専任のリーダーが現場の医師を巻き込みながら活動したことが、この成功につながったのだと思います」。 謙虚に話す迫田氏の言葉からは、病院経営変革に懸ける想いが強く伝わってくる。

コメント0

「ザ・チェンジエージェント-変革DNAの研究」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員