「叱る」「断る」「頼む」・・・どれも言い出しづらいことだ。だがそれから逃げていては、あなたの後進は育たず、生産性の低い仕事まで抱えこむことになる。後腐れなく言いにくいことをどう伝えたらよいか? まずは「叱る」から。
叱るためのセオリーを学べ
チームを組んで仕事をしていこうとすれば、叱ることから逃げることはできない。誰しも人を叱るのは嫌だが、部下や後輩の失敗を叱らなければ組織の目的を達成することが難しくなる。また「ここを伸ばせばもっと伸びるよ」と諭すことも上司の義務である。
にもかかわらず、叱れない上司や、叱り方が分からない上司が増えている。リーダーシップ研修などを手がける加藤和昭さんは、「叱り方は自己流では限界がある」という。上手に叱るためには学習が必要なのだ。
「叱れない背景には、嫌われるのが嫌だとか自信がないという精神面の弱さもあります。でも、それ以上に問題なのは、上司が勉強不足なこと」と指摘する。つまり、最近の若者は傷つきやすかったり、反抗的であったりと扱いが難しくなっているのに、上司はそれに戸惑うばかりで、状況に対応した叱り方の腕を磨こうと勉強しない。だからうまく叱れないのだというのが加藤さんの意見だ。
「昔のように自己流で叱っていればいい時代は終わりました。叱ることの基本セオリーも知らずに叱っていたら、いつまで経っても部下は耳を貸さない」
例えば、サンドイッチで叱るという方法や、奨励形で叱るという方法がある(叱るのがうまい人の7つのコツ)。これらの知識がもしあれば、反抗的な若い部下を叱らねばならない時もかなりスムーズにいくはずだ。この方法を何度も繰り返すうちに、自らの習慣になる。だがその知識を知らなければ、いつまでも効果の低い自己流の叱り方を繰り返すばかりだ。
部下の担当業務に精通することも必要だ。加藤さんが心がけるのは「業務の内容も踏まえ、具体的に叱る」ことだという。例えば「印象を良くしなさい」とか「売り上げを伸ばしなさい」という言葉は何も言ってないに等しい。そうではなく「口を大きく開けてハッキリ発音するように心がけるだけで、明るい印象になるよ」というように、できる限り具体的な言葉で叱る。そのためにはビジネスセオリーの幅広い学習も欠かせない。
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加藤和昭氏
社員教育研究所代表
経営コンサルタント
Kazuaki Kato
1941年生まれ。関西大学卒業。日本能率協会、住友ビジネスコンサルティングなどを経て、90年にコンサルタントとして独立。『ほめ方・叱り方のコーチング』など著書多数。
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