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【第1回】建前論では難しい、日本の女性活用

2007年1月25日(木)

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 「女性にも使えるよう、分かりやすくしました」。2001年、九州のある企業を取材した時のこと、コールセンターのマニュアルをデジタル化した担当者はこう発言した。

 すると、同席したもう1人の担当者が間髪入れず「その言い方はまずいよ」と注意し、私に向かって「すみませんね」と苦笑いしたのだ。驚いたのは、私が女であることを気にして同僚の“失言”をフォローした彼の配慮だった。以前は、こんな気遣いをされたことはなかった。

 当時私は20代で、祖父より年上の企業役員を取材することが多かった。自分の年齢を考えれば経験不足は明らかだったから、彼らから小娘だと思われても仕方ないと感じていた。多少のことでは「女だからバカにされた」などと、いちいち気にしてはいられなかったのだ。

 しかし冒頭の例のようにオフィスでは、数年前から女性に対する扱いが少しずつ確実に変わり始めていたのだ。

 あれから約6年。女性のトップや役員が相次いで誕生し、有名企業が軒並み「女性活躍推進室」や「ダイバーシティー推進部門」を設けるなど、日本のワーキングウーマンには追い風が吹いている。

 女性管理職比率の目標を設ける企業も多く、急に道が開けてきた感がある。取材先では、社長から中間管理職まで口を揃えて「優秀な女性を活用できない企業に未来はない」と話す。何年も前から彼らを知る人たちは、「昔、彼らはあんなこと絶対に言わなかったのに」と驚いた顔をする。

厳しい男性の本音、「女性は甘えてるんじゃない?」

 ところがひとたび仕事を離れ、名刺も録音もない環境で話してみると、女性に対する辛辣な言葉が噴出する。

 「彼女が昇進できないのは、女だからじゃなくて仕事ができないからだよ」「法律だって整ってるし、もう女性差別なんてないんじゃない?」「“やりがいのある仕事”なんて、贅沢言うなよ。男は、やりがいがなくても辞められないんだから」「女はいいよな。早く帰る口実があって。俺もたまには帰りたいよ」…。

 常識人の彼らは、公にこんなことを言えば糾弾されることを知っている。だから決して大声では言わないが、心の中で「女はずるい」と思っているに違いない。こういう感情がある限り、差別は見えない形で残るだろう。同時に、そこには語られざる真実が含まれている。今のまま、建前論に基づいて女性活用を進めたら、いずれ大きな壁につき当たるかもしれない。

夏のミシガン大学

 そこでこのコラムでは、様々な文献を基にいま一度ワーキングウーマンを取り巻く環境を見直してみたい。筆者は昨年夏より、米ミシガン大学「The Center for the Education of Women」客員研究員として、男女のキャリアについて調査をしている。女性の社会進出が進んでいる米国の研究や数値を見ることで日本の現状を再確認し、何が問題になっているのか考えていこうと思う。

 女性の経済的地位を語る時、とかく日本は遅れているという批判を聞くことが多い。しかし例えば公的育児支援制度に関しては、米国の方が貧弱であったりする。また、女性の家事負担の重さを見ると、日本だけでなく米国も同じ問題を抱えていることも見えてくる。

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「【第1回】建前論では難しい、日本の女性活用」の著者

治部 れんげ

治部 れんげ(じぶ・れんげ)

経済ジャーナリスト

経済ジャーナリスト。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。1997年一橋大学法学部卒業後、日経BP社で16年間、経済誌記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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