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【序章】 人事部はいま何をしているのか

人事担当者たちの“本音”で考えるマネジメント

  • 野々村,永禮 弘之

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2007年2月22日(木)

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 1990年代初めにバブル経済がはじけてから、日本は「過剰設備、過剰債務、過剰雇用」という3つの産業構造上の課題に取り組んできた。近年、この3つの構造問題の解決にようやくめどがたってきた・・・。と思いきや次に新たなる問題が出てきた。設備、資本・人材の「質」の問題だ。

働く人たちの能力開発、モチベーション、賃金を抑えてきたツケ

 長引く不況の中で続いた雇用調整は、働く人たちのモチベーション、能力、賃金水準などあらゆる面で勝ち組と負け組の格差を広げた。非正社員は単純労働が中心で、キャリアや能力を伸ばす機会が不足してしまった。

 雇用者全体に占める非正社員の比率は、2005年には約3割、1600万人を超えている(総務省「労働力調査」2005)。OECD(経済協力開発機構)の調査では、日本の貧困率は、調査対象国中、ワースト5位(2004年時点)。

 勝ち組と負け組の格差が広がったのは、労働分配率(企業活動が生んだ付加価値を、賃金・給与などの形で社員に分配した比率)が、2001年以後低下傾向にある中で、限られたパイの取り合いになったことが一因だ。働く人たちの能力開発、モチベーション、賃金を抑えることで調整してきたのだ。

 だが、昨年あたりから人手不足が顕在化してきた。2002年2月から始まった現在の好況は、2006年11月時点で58カ月におよび、戦後最長の景気拡大期に入っている。さらに、今年は団塊世代の多くが60歳定年退職を迎える。そのため、働き手のモチベーション、能力、報酬を高めて労働生産性と知的資産の蓄えを上げることが急務になってきたのだ。

人事部は何をしているのか?

 では、人材の採用から育成を担う企業、さらに言えば、その実務を担う「人事部」は何をしているのか?

 我々は人事マネジメントのコンサルテーションを手がけている。その関係から、企業研修の現場や講演会で、経営者や人事の方から、「うちの教育や人事のやり方は、本当に自社にとって望ましいものなのだろうか?」という疑問を投げかけられることがままある。話を聞いてみると、海外や国内の他社でうまくいっている事例を調べて、その会社の仕組みをそのまま取り入れていたりするのだ。だが、自社の実態や他の制度との関係をあまり考えないで、他社の仕組みを真似しても、「仏作って魂入れず」になってしまうのは言うまでもないことであろう。

 また、企業の縦割り組織の中で、人事制度の設計担当者には他の仕組みと整合を取る責任や権限がない。担当者は、矛盾を感じながらも、何かしらの制度を導入することが自分の仕事だとあきらめて、他社でうまくいっている制度を提案している。他社で実績があれば、制度自体に問題はないのだから自分の責任は問われないだろうと、担当者が責任逃れをしてしまう。

 こんな矛盾の被害を受けているのは、その会社の社員たちだ。自社の実態や他の仕組みとの関連も顧みられず、いきなり新しい制度が導入されて、働き方や評価・処遇のルールが変わってしまう。会社や人事部にとって都合がいい制度を押しつけられる社員の姿は競技ルールが変わったことで、それまで世界の上位を占めていたのに最近めっきり勝てなくなったジャンプスキーの日本選手の姿がダブる。

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