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「自助努力をする社員だけを評価する」 
でいいのか

研修を決める時期 便利な「カフェテリアプラン」にご注意を

  • 野々村,永禮 弘之

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2007年2月26日(月)

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2月は研修制度を決める

 人事担当者にとって2月は次年度の教育研修内容を決める季節。今回は、多くの企業で採用されている「カフェテリアプログラム(またはプラン)」について取り上げる。前回申し上げた通り、このコラムは人事制度の細かい内容を説明することが目的ではない。名も無き人事担当者たちの「声」を通じて、人事の「現場」を伝えることにある。

そもそもカフェテリアプランって?

 制度の説明が目的ではないとはいえ、簡単にこの制度について説明しておこう。

 街中にある食事ができるカフェテリアでは、お客さんはいろんな料理の中から自分の好きな料理を選ぶことができる。同じように、会社側がいろんな研修プログラムを揃え、その中から、社員たちが、自分の将来のビジョン、スキルを鑑みて、自分で研修内容を選ぶことができるのがこの制度だ。

 カフェテリアプランが注目され始めたのは1990年代前半だ。この頃、多くの日本企業が個人の能力や成果に基づく人事評価制度、賃金制度を導入した。

 「成果主義を導入する」のは「社内にも競争を持ちこみ、その成果で社員を評価・処遇する」という意味でもある。そのため、社員の能力開発も会社が丸抱えで、階層別に一律に同じ研修を受けさせるのではなく、社員の自己責任を重んじるような内容が求められ始めた。そこで、会社は仕事で必要な知識やスキルを学ぶ研修を、外部のプログラムも含め幅広く揃え、社員が自分で判断して必要な研修を受ける方式への関心が高まってきたのだ。

 この制度は研修を受ける社員にとって、自分の今の仕事に必要な知識やスキルを手っ取り早く身につけるには便利。内容や時期が一律に決まっている階層別研修に比べ、自分の意思で、必要な研修を自由に選ぶことができる。外部のプロが行う研修であれば、仕事に役立つ知識やスキルを効果的に学ぶこともできる。

 もっとも、いいことばかりではなかった。人事の現場では、この制度の弊害も出てきた。

「うちの人事制度に合った教育研修を考えてくれないか」

 名も無き日本企業の人事担当者たちの代弁者が野々村さん48歳。中堅流通チェーンのマルコーの人事部長。熱血漢で勉強熱心。転職したこの会社、マルコーでも周囲の期待に応えようと奮闘する毎日。ただ、要求に真摯に応えようとするあまり、身動きが取れなくなってしまうこともしばしば。最近も社長の命令に頭を悩ましていた――。

 1週間前のことだ。野々村さんは社長から教育研修制度を見直すように言われた。「うちの人事制度に合った教育研修を考えてくれないか」というのが社長の指示だった。

 マルコーでは、2年前から成果主義の人事制度を取り入れている。成果主義は時代の流れであり、社員側でも異論を唱えるものは少なかった。だが、実際に新制度を導入してからは、人事部としては無視できない問題がいくつも出てきた。

 例えば、サービス残業をする社員が増え、鬱病になる社員も出てきたという。社員が個人の成果を気にするあまり、職場の中で会話やチームワークがめっきり少なくなった、との声も聞こえてきた。

 会社として気になるのは、お客様からのクレームが増えていることだ。「商品知識やマナーの面で問題ある社員が目立つ。個人のスキルが低下しているのでは」との取引先からの指摘もあった。

 だが、能力不足と言われた社員側にも言い分はある。

「そもそも、会社が成果、成果と言うならば、成果を上げられるように、会社が何かしら手立てを講じるべきではないか」

 「なんだか殺伐としていたなぁ・・・」。野々村さんは帰宅途中も、今度の制度見直しのことが頭から離れない。「大体、自立した社員を育てろ、と社長は言うけれど、そんなに簡単に能力は変わらないんだよなぁ・・・」。疲れていたのか思わず、弱気の言葉を口に出していた。


どれを選んでいいのか分からない

 会社にとって問題なのは、このまま社員のモチベーションが低下→社員の能力・スキルの伸び悩み→評価がさらに下がる、という負の循環が始まることだ。会社が社員に対して成果しか求めないのであれば、「会社に義理を感じる必要もない」と割り切る人も増えていく。

 「なんとかしなければ・・・」今の人事制度に合った研修を求め、野々村さんは、かつていた某大手電機メーカーの同期に会ってみた。古巣の会社では、カフェテリアプランを取り入れていると聞いたからだ。

 実際に、説明を聞きカフェテリアプランの冊子を見せてもらった。驚いたのは研修プログラムの種類の多さ。冊子は200ページを超えていた。

 「あまりにもコースが多すぎて、いったいどれを受ければいいのか・・・。これ、社員は分かっているの」との野々村さんの質問に、同期は「利用はされているよ」と苦笑いをしながら答えた。

社長、人事部、現場から見たこの制度の実像・・・

 実際にカフェテリアプランについて、会社、教育研修部門の担当者、上司、研修を受ける社員のそれぞれの視点から「いい点」と「問題点」を考えてみよう。

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