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【第9回】男性のターゲット設定その3

育児の楽しさを理解し妻の仕事を応援できる
「ワークライフバランス王子」を探そう

  • 白河桃子

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2007年2月13日(火)

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 「女は産む機械」発言で、日本中が大騒ぎ。このコラムにも深く関わるテーマなので、ひと言触れてから本題に入りたい。

 最初にこの発言を聞いた時は、「うわあ、モチベーション下がるなあ。男だって『あなたはお金を作る機械だから、頑張って稼いでね』と言われたら、ちゃぶ台ひっくり返してグレてしまいそう」と思った。

 柳沢厚生労働相は昭和10年生まれの「オールドタイプ日本男児」だけれど、妻の紀子さんは東京芸術大学出の版画家で、60歳を過ぎてから武蔵野美術大学で教壇に立っているらしい。この世代の女性としては珍しく、自分の仕事を持った妻がいるというのに、この発言。…救いようがない。

 結局「少子化問題」というのは、男性にとっては「女性が頑張って」と他人事だ。だから、いくら対策を講じてもポイントがずれてしまうのだと思う。

「ワークライフバランス王国」の男性もいる

 戦後の「男女役割分担時代」は長すぎた。その間、同じ日本の中なのに「男の国」には「仕事と男」が住み、「女の国」には「女と子供」が住んでいたのである。仕事をしたい女は「男の国」に“出稼ぎ”にいくしかなかった。

 しかし最近、「仕事」の方が「女の国」にも越境しようとしている。「女の国」に「仕事と女と子供」が住めば、あとは男も引っ越してくればいいのに、なかなかそれができない。相変わらず違う国に住んで、「女の国」の人口が増えるように、遠くから「支援」している感じ。…これがわが国の少子化対策なのだ。

 この男と女の“国境”を意識の上で取っ払った男性が、「バリアフリー物件」であり、この人たちがするすると国境を行き来しているうちに、ちゃっかり「女と子供と仕事の国」の住人になったりする。「女と子供と仕事の国」は、「ワークライフバランス王国」(注1)でもある。

 その王国の1人は、『経産省の山田課長補佐、ただいま育休中』(注2)(日本経済新聞社)で有名になった、経済産業研究所の山田正人さんである。妻は同期入省で、4歳の双子が生まれた時は自分の働き方を変えなかったが、3番目の子(2歳)の時は、夫である山田さんが1年間育休を取った。

 「理解がある職場ですね。ウチで育休なんか取ったら、一生這い上がれない」などという同期の声に見送られ、最初は子育ての不安と孤独に苛まれながら(これは、女性と一緒ですね)、結局1年後は「こんなに楽しいことを母親に独占させていたのか」と、育児、というか「仕事一辺倒ではない人生」に目覚めてしまうのだ。しかし山田さんがそのことを男友達に熱く語っても、全く理解されない。

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