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「お客さんの要望が伝わってこない」
と技術者たちが怒っています

  • 松丘 啓司

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2007年2月15日(木)

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 私は電気・電子部品メーカーで製品開発部門のマネジャーを務めています。当社は創業以来、技術の信頼性を土台にして堅実な成長を遂げてきました。業界内では中堅クラスのメーカーですが、今でもこの分野における技術者のレベルはトップクラスであると自負しています。


 しかし、技術力だけで製品が売れる時代ではありません。開発部門の技術者たちにとっては、自分たちの技術が社会の役に立つことが何よりもの喜びですが、製品が売れないことには達成感も得られません。そのため、技術者たちは自分たちの技術の殻に閉じこもるのではなく、できる限り顧客の要望を取り入れて製品を改良していきたいと考えています。


 そのような技術者たちが不満を感じているのは、営業部門から顧客の要望が伝わってこないことです。営業部門とのコミュニケーションが取れていないというわけではありません。製品スペックなどについての問い合わせ対応は、日々、頻繁に行われています。しかし、そもそも顧客がどのような製品展開を目指しているか、といった肝心の情報を聞くことは皆無に近い状況です。営業担当者の訪問先が顧客の購買担当者中心になっているため、営業担当者自身もそれ以上の情報をつかんでいないのだと思います。


 近々、営業部門においても、これまでの営業のあり方を見直すためのプロジェクトが開始されることになり、私も開発部門からの代表メンバーに選ばれました。私自身、せっかくプロジェクトメンバーに選ばれたため、ただ技術者の声を代弁するだけではなく、積極的に方針作りに関わっていきたいと思っています。当社のようなケースでは、どのような視点を持って営業改革に取り組んでいけばよいのでしょうか?


 営業担当者がセールスパーソンからアカウントマネジャーに変わることが必要でしょう。そのために、顧客志向の営業プロセスに転換しなければなりません。

顧客の変化をキャッチするのは営業の役割

 質問者の会社がそうかどうかは分かりませんが、伝統的に技術力の強い日本の製造業では、営業の役割は製品を売ってくることでした。良い製品を作れば売れるという「製品志向」の発想が強かったため、営業にはとにもかくにも販売機会の数を増やすことが求められました。

 「顧客志向」という言葉は何十年も前から存在しましたが、多くの営業担当者は内心では、顧客のわがままをいちいち聞いていては営業効率が下がってしまうと思っていました。スローガンとして顧客第一主義という看板を掲げている会社でも、実態は自社第一主義というような会社はたくさん存在しましたし、現在でも存在します。

 それでも、売れ続ける時代はそれでよかったと言えます。数をこなせば売り上げが増えるのであれば、営業のマネジメントとしては、それほど簡単なことはありません。しかし、経営環境は変わっています。この連載で何度も述べてきたように、今日では数を増やすほど、営業の成功確率が低下するリスクが高まってしまいます。

 それだけではなく、質問者の会社で起こっているように、顧客に対してさらなる貢献ができるように、常に自己変革していく能力が弱ってしまいます。顧客の変化にタイムリーに追随できる能力を欠いては、企業の持続的な成長はあり得ません。顧客の変化を最もキャッチできる立場にいるのは、言うまでもなく営業担当者です。そのため、営業のあり方次第によって、企業の成長が左右されると言っても全く大げさではないのです。

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