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季節の着物の取り合わせ【第1回】
二十四節気と更衣(ころもがえ)

立春と雨水のコーディネート

  • 関戸朋子, 吉田加奈子, 中谷比佐子

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2007年2月17日(土)

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 ある時期までは、着物には全く興味がなかった。親に薦められて振袖を着た時、苦しくて動きづらく、おまけに老けたように見える自分にがっかりしたものだ。

 それから約15年後、「オーラソーマ(英国で始まったカラーセラピー。約100本のカラーボトルから選んだ色により、その人の資質や可能性を診断する)風水」を学ぶ教室に参加した私の全身に衝撃が走った。着物を着ていたその女性(ひと)は、季節感のある色や柄を自然に着物に取り入れ、とても“かっこよかった”のである。その女性から、着物と深い関わりを持つオーラソーマ風水を学ぶうちに、「自分の意思で着物を着たい」と感じるようになった。

 しかしどうしたら、あのように優雅に、心地よさそうに着られるのか。目の前に高いハードルがあるような気がしたが、それでも着物に挑戦することを決め、3時間のレッスンを受けた。

 その女性からは、「日本人なのだから、着物のことは“遺伝子”がすべて識(し)っている。着れば、思い出すのよ。あなたの遺伝子に聞いてごらんなさい」と教わった。確かに着物を着ると、なぜか懐かしい感覚がある。「これなら、いけるかもしれない」…と思えた瞬間、ハードルを既に越えた気分になった。それからはその女性を師匠と決め、着物文化を学ぶことにしたのである。

 この女性の名は、中谷比佐子。現在私は、中谷の主宰する秋櫻舎で、着物文化を広める活動を行っている。今回から秋櫻舎の吉田加奈子とともに、季節による着物や帯の取り合わせを紹介していく。初めて着物に触れる人でも分かりやすいよう、着物の産地や基本的な用語については、注で解説する。また、カラーセラピーの観点から、着物の色の持つ特質や意味についても触れる。

二十四節気と更衣(ころもがえ)について

 今回は、「二十四節気」について説明しよう。二十四節気とは、季節を表わすため太陽の黄道を24等分し、それぞれに名前をつけたものだ。

 日本人は、古くから旬の恵みを衣食住に取り入れ、四季折々の変化を楽しみながら自然と同調して生きてきた。現代風に言えば「ロハス」のコンセプトだ。「更衣(ころもがえ)」もその一つである。湿度や温度変化に対応し、かつ微妙に調整が利く自然素材の心地よさを生かした風習だ。そもそも「更衣」は平安時代より宮中の年中行事として始まり、当時の暦(太陰太陽暦)で4月1日から「夏装束」に、10月1日に「冬装束」に着替えると定めたものだ。

   江戸時代になると「更衣」は、武家の制服制度においてさらに細かく定められたが、四季の変化に富む日本では、この風習はよく受け入れられ、庶民の間にも浸透した。

   さて、問題はここからである。明治時代になると、今の国家公務員にあたる人々の制服制度が定められた。「更衣」は夏服が6月1日から、冬服が10月1日からと規定され、学生服や庶民の日常服にも定着していった。一方で1873年(明治6年)、日本の暦法は太陰太陽暦から現在の太陽暦(グレゴリオ暦)に改められた。

   本来ならこの時、改暦に合わせて「更衣」の時期も改められるべきだった。しかし、なぜか以前のままになっていたのである。旧暦と新暦では、約1カ月半のズレが生じる。簡単に言えば、太陰太陽暦の6月1日は太陽暦では7月15日頃になってしまう。

 着物をこうした現代の「更衣」に合わせると、どうなるか。着物には、裏地のある「袷(あわせ)」と裏地のない「単(ひとえ)」がある。「更衣」のしきたりに合わせると「単は6月から、袷は10月から」となるが、実際には10月に袷を着るのはかなり暑い。なにしろ、10月は旧暦ならまだ9月である。また、単を着るのに6月まで待てない。このところ夏が長引き、夏の始まりも早まっているのでなおさらである。

 このように、改暦の時に変更されないままにきてしまった「更衣」に従うと、着物の場合はあまり心地よくないのも当然だ。そこで、二十四節気に合わせてみよう、という提案なのである。

   二十四節気は、日付と季節を一致させるために太陰太陽暦の時代から使われていたものだ。立春、春分、秋分、夏至、冬至なども二十四節気の言葉である。コンクリートに囲まれて緑の少ない環境にいる都会の人間にとっては、二十四節気に従い、着物の素材感の心地よさを肌で感じ、少しでも季節感を楽しみたい。

コメント4件コメント/レビュー

もうかれこれ20年も前に、中谷さんのご著書その他で、気候に合わせて更衣をしてもよい、昔から実は胴抜き等々みな工夫していたと知り目から鱗、以来、大いに参考にさせていただいておりますが、今回の記事で一つ気になりました。江戸幕府の更衣は旧暦5/5帷子、9/1袷、9/9綿入れ、4/1袷で、宮中の5/5帷子、8/15生絹、9/9綿入、10/1練絹と微妙に違っていますし、明治以降の新暦6月単衣、7月薄物(8月麻・紗)、9月単衣、10月~4月袷という更衣の日付は、新暦移行で適当にずらしたもののように思いますが、いかがでしょう。温暖化も加わり気温が変わっていますから、それがマッチしないというご趣旨には大賛成なのですが。(2007/04/07)

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もうかれこれ20年も前に、中谷さんのご著書その他で、気候に合わせて更衣をしてもよい、昔から実は胴抜き等々みな工夫していたと知り目から鱗、以来、大いに参考にさせていただいておりますが、今回の記事で一つ気になりました。江戸幕府の更衣は旧暦5/5帷子、9/1袷、9/9綿入れ、4/1袷で、宮中の5/5帷子、8/15生絹、9/9綿入、10/1練絹と微妙に違っていますし、明治以降の新暦6月単衣、7月薄物(8月麻・紗)、9月単衣、10月~4月袷という更衣の日付は、新暦移行で適当にずらしたもののように思いますが、いかがでしょう。温暖化も加わり気温が変わっていますから、それがマッチしないというご趣旨には大賛成なのですが。(2007/04/07)

良い内容だと思います。でも、文章が読みにくいかな。(2007/02/19)

内容はすごくおもしろかったのですが、文章がかたすぎて読み辛く残念でした。でも、女性らしい水仙の帯がとても素敵ですね。椿の帯止めと帯揚げとのコーディネイトは、技あり!という感じで、今後参考にさせて頂きたいと思いました。次回も楽しみにしております。(2007/02/18)

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