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やる気が空回り?研修担当者のジレンマ

  • 野々村, 永禮 弘之

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2007年3月5日(月)

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社内研修プログラムの作成は本当にムズカシイ

職業能力に積極的に取り組んでいる理由(複数回答) (従業員調査)

職業能力に積極的に取り組んでいる理由(複数回答) (従業員調査)

 研修内容を決めるには時間がかかる。社内で新しい研修を始めようとすれば、現場へのヒアリングから始まり、企画・開発を続け、納得できるだけの内容が決まるまでには半年から1年ぐらいはかかる。つまり、次の年の会社の経営方針が決まる前から、研修の計画づくりに着手しなければ、うまいタイミングで研修は実施できない。

 人材育成プログラムは予算が決定するよりも先に進めていかなければならないのだが、会社の方針決定が後回しになったり、獲得できていたはずの予算が削減されたりすることも少なくない。「人材投資がこれからの企業の力、価値」とよく言われるが、人材育成は社内の事情で振り回されているのだ。

人事部課長

 名も無き日本企業の人事担当者たちの代弁者が野々村さん。中堅流通のマルコーの人事部長。48歳。熱血漢で勉強熱心。転職したこの会社、マルコーでも周囲の期待に応えようと奮闘する毎日。ただ、要求に真摯に応えようとするあまり、身動きが取れなくなってしまうこともしばしば――。

 昨日も野々村さんがいる人事部の課長がこんな相談を持ちかけてきた。

 「野々村さん、もう2月も半ば。あと2カ月ほどで、来年度の具体的な研修実施の開催日程を社内に伝えなければならないんです。来年度の人材育成方針はどうします?」

 どうしますかって・・・、それを決めるのが課長である君の仕事だと言いたいところだが、不安はよく分かる。マルコーでは人材育成に関する投資は毎年前年比20%ずつ減らされている。しかも来年度の予算が決まらない現時点で、大々的な方針を打ち出していくのは難しい作業。結局、例年と同じような研修に「何となく」落ち着いてしまうのがこれまでのパターン。研修企画の担当者たちのやる気も空回り、そんな熱意も現場に伝わらずにいる。

 ということで、課長の相談に答えるため、今日は人事部内で研修計画の進め方をディスカッションすることにした。オブザーバーとして武田顧問にも参加してもらう。武田顧問は人事の生き字引的な存在で、野々村さんは信頼している。

 ディスカッションは、相談を持ちかけてきた「課長」の厳しい質問から始まった。課長は2年前まで店舗開発に従事していたが、現場の声を反映させる目的で人事に異動。これまでの人事部のやり方に素直に疑問をぶつけてくれる貴重な存在。そんな課長も「人材育成」の難しさに直面していた。

 「そもそも経営方針として、来年度の人材育成はどこの層を中心に進めるのでしょうか? あと、予算は決まったのでしょうか? そもそも、社長は『人材投資が大切だ』とおっしゃっていますが予算を増やしていただかないと、新しい研修内容も開発できません」

 人事部のスタッフたちにも不満がある。「ここ数年の現場の忙しさは、人事から見ていても半端ではありません。彼らが研修に参加したくても忙しすぎて無理なのもよく分かります。しかし、現場は正直、研修に派遣したくないと思っている。『最前線で働いているマネジャーやリーダーばかりを研修対象にしないでほしい』『仕事に穴があくから困っている』と言われています。会社の方針が現場のマネジャーたちに伝わっていないのではないでしょうか?」

 「野々村部長どうですか。取りあえず、現状をお話しいただけます?」

 説明を求められた野々村さんは簡単に現状を語った。

 まずは、会社としては人材育成の基本的な方針には変更はない。若手の体系的な育成と、現場リーダーである、課長層、リーダー層の強化。それぞれのテーマは、若手が“3年間で当社人としてひとり立ちできること”であり、“課長、リーダーはチームを変革するリーダーシップの実現”がテーマ。

 「つまり、これらの方針をブレークダウンして、期待通りの研修を実現し、効果を上げることが我々の仕事。人材投資額は最終決定ではありませんが、前年維持の見込みです。新しい企画を盛り込んで、10%アップで申請しましたが、経理部からの1次回答では厳しそうということです。今の予算枠で最良の人材育成をするにはどうすればよいか、みんなでアイデアを出していくことが必要です」


経営陣とは足並みは揃わず、現場からは嫌われるのが研修??

野々村人事部長

野々村人事部長

 正直、自分たちでできることには限界がある。ほとんどの研修を外部の研修会社やコンサルタントにお願いしているのだ。それでも、どんな研修をするか、そのラインアップづくりには工夫をし、結構充実させてきている。それはここにいるメンバーたちの地道な調査のおかげだ。それなのにそれが現場にはうまく伝わっていない。告知方法の問題なのか、それとも現場の意識が低いせいなのか。

 会社の方針、経営陣とは足並みが揃わず、現場の上司からは嫌がられるのが研修と言える。その状況をなんとか抜け出すにはどうすればいいのか。

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