• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

第21回 チェック男子
~「あとで見る」ためにチェックする

  • 深澤 真紀

バックナンバー

2007年2月23日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 U35男子は、本当に膨大な情報やソースに囲まれています。
 インターネットだけでも、一生かかっても一部の情報しか見ることができないでしょう。

 物心ついてからずっと、膨大な情報やソースに囲まれている彼らは、それらをきちんと視聴するというよりも「チェック」するのです。

 そんな彼らを「チェック男子」と名づけます。

 「○○が面白かったよ」と言われたら、「じゃあ見るよ」ではなく、「じゃあチェックするよ」と答えるのがチェック男子です。

 彼らにとっての「チェック」は、あらゆる経験に対して使う言葉です。

 面白いサイトがあればチェック、新しい店やレストランが開けばチェック、ケータイの新機種をチェック、人にすすめられた映画や漫画をチェック、どこかにカワイイ女の子がいればチェック。

 このようにありとあらゆるものを、とりあえずチェックしておくのです。

まず他人の声をネットでチェックする

 チェック男子は、ネットで言えば、以前つながり男子でもご紹介したmixi(ミクシィ)、巨大掲示板である2ちゃんねる、そして検索サイトのGoogle(グーグル)、他人がブックマークしたサイトの集積である「ソーシャルブックマーク(例:はてなブックマーク)」、百科事典のWikipedia(ウィキペディア)、動画サイトのYouTube(ユーチューブ)、書籍を中心としたオンライン通販サイトのamazon(アマゾン)、音楽配信のiTunes Storeなどをよく使います。

 これらのウェブの特徴は、ただ利用するわけではなく、参加型のサイトであるということです。ちょっと聞かなくなってきた言葉ですが「Web2.0」的なものが多いとも言えるでしょう。

 友人とつながり合い(mixi)、さまざまな意見を書き込み(2ちゃんねる)、多くのユーザーに見られているサイトを検索し(Google、ソーシャルブックマーク)、ユーザーによって作られた百科事典で調べ物をし(Wikipedia)、ユーザーが投稿する動画を見る(YouTube)、ユーザーのお薦めする書籍や音楽を購入し、ダウンロードする(amazon、iTunes Store)。

 チェック男子は、このように、ほかのユーザーの声をチェックして、自分の得るべき情報をチェックするのです。

 この取材の中でも「○○を見ましたか?」とか「○○を知っていますか?」と聞くと、「それはウェブ(ネット)でチェックできますか?」と聞き返されることがとても多かったです。

 「ウェブにないものは、ぼくにとっては『この世にない』ことと同じなんですよね」という発言もありました。

画質・音質にはこだわらない

 チェック男子は、レンタルDVDでさえ、「返却するのが面倒だし」と言って借りないくらいです。「YouTubeでチェックしますからいいんですよ」と言うのです。

 「でも全編見られるわけでもないし、DVDのほうがずっと画質がいいですよね。パソコンの画面で小さいYouTubeの画面で、見て面白いですか?」と聞くと、「画質とかはさして気にしないですね」とのこと。

 画質にこだわらないことと同じように、音質に対しても大きなこだわりがありません。

 これはやはりiPodをはじめとしたデジタル音楽プレーヤーの登場によるものが大きいでしょう。
 音楽データを不可逆圧縮しているので、音質は劣化するわけですが、それはあまり気にならないのです。

 もちろん、オーディオマニアやホームシアターマニアという層もいますが、やはりお金がかかりますので、バブル世代以上が中心になっているのです。

 このように、チェック男子は「とりあえずチェック」することがメインなので、絵や音の質には大きな価値を見いだしません。

コンプリートにもこだわらない

 またテレビ番組も、テレビパソコンやHDDレコーダーなどでとりあえず録画して、あとでまとめてチェックします。

 かつては「8時だヨ!全員集合」に象徴されるように、その曜日のその時間にその番組を見ることは、ひとつの大きな生活習慣だったわけです(しかも原則的に公開生放送でしたから、ドリフターズもスタッフも会場の客も視聴者もみんなが8時になるとまさに全員集合していたわけですが)。

 しかし、チェック男子には「何曜日の何時に○○を見る」という視聴習慣はありません。

 同じ番組を何週間分かまとめて見たり、夜中にいくつかの番組を流し見て、まさにチェックしているのです

 いまやBS、CS、ケーブルテレビ、ネット配信などの多チャンネルで、本当に多くの番組が流れていますから、古いもの、レアなものを簡単に見ることができます。

 たとえば筆者に「CSで『傷だらけの天使』チェックしましたよ、ショーケンって渋いですね」などと言ってくるU35男子がいます。
 しかし、「ああ、あの最終回が衝撃ですよね」と答えると、「何話か見ただけなので、最終回は見てないんすよね」と言われてしまう。

 映画でも「『エイリアン2』をチェックして面白かった」と興奮しているのに、続編の「3」や「4」どころか、第1作さえ見ていなかったりします。

 チェック男子は、面白いからといって、原作や第1作まで遡ったり、最後まで追いかけるということにもそんなにこだわりません。

 そのこだわりのなさはどこからくるのか。
 それは「見たくなれば、いつでもどこかで見られる」と思っているからです。
 彼らにとって情報は「あとで読む」「いつか見る」ことができるものなのです。

コメント28件コメント/レビュー

ライター稼業は 本来孤独なものだと思う。どんな支持者があろうと結局,筆者の腕一本がその後の仕事を増やしも減らしもする,厳しい世界だ。景気の情況に振り回されやすい業種でもある。初回から(文の言質を問わず)「100回このコラムを続けよう」とかいう声援?や「本文への反論」への反論が即座にこのコメント欄に載せられているところを見ると,それなりの理解者に恵まれた著者の姿が想像できる。その意味では内輪のサークルの温情を感じさせるコラムでもある。だがやはり,「この人でなければ,この文は書けない。ここでしか,その文は読めない」という「きらめき」のようなものが欲しい。統計数字の有無に関わらず・・・(2007/03/01)

「U35男子マーケティング図鑑」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ライター稼業は 本来孤独なものだと思う。どんな支持者があろうと結局,筆者の腕一本がその後の仕事を増やしも減らしもする,厳しい世界だ。景気の情況に振り回されやすい業種でもある。初回から(文の言質を問わず)「100回このコラムを続けよう」とかいう声援?や「本文への反論」への反論が即座にこのコメント欄に載せられているところを見ると,それなりの理解者に恵まれた著者の姿が想像できる。その意味では内輪のサークルの温情を感じさせるコラムでもある。だがやはり,「この人でなければ,この文は書けない。ここでしか,その文は読めない」という「きらめき」のようなものが欲しい。統計数字の有無に関わらず・・・(2007/03/01)

反社会学・・などと このU35著者も編集部も意識しているのだろうかなあ。それに,現在このコラムで「つっこみ」をしているのは,著者自身よりも 読者側の方ではないかなあ。統計上の数字のトリックは社会(特に商業社会)のどこにでもあるかもしれない。でも,かといってそこにある数字が全く当てにならない訳でもない。統計の数字の深部まで洞察し,それを凌駕する表現力を持つライターも 編集部側が探そうとすれば,きっと見つかることだろう。(2007/02/28)

数字もなく、精査できる論拠もなく「背景を考え」付くことなど宗教家でもなければできがたいことかと思います。啓発になるとすれば、「論拠もないのに信じられる人がいる」ということがわかった、ということかもしれません。(2007/02/28)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

組織を正しい方向に導き、 作り変えていける人が、優れたリーダーです。

ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長