U35男子は、本当に膨大な情報やソースに囲まれています。
インターネットだけでも、一生かかっても一部の情報しか見ることができないでしょう。
物心ついてからずっと、膨大な情報やソースに囲まれている彼らは、それらをきちんと視聴するというよりも「チェック」するのです。
そんな彼らを「チェック男子」と名づけます。
「○○が面白かったよ」と言われたら、「じゃあ見るよ」ではなく、「じゃあチェックするよ」と答えるのがチェック男子です。
彼らにとっての「チェック」は、あらゆる経験に対して使う言葉です。
面白いサイトがあればチェック、新しい店やレストランが開けばチェック、ケータイの新機種をチェック、人にすすめられた映画や漫画をチェック、どこかにカワイイ女の子がいればチェック。
このようにありとあらゆるものを、とりあえずチェックしておくのです。
まず他人の声をネットでチェックする
チェック男子は、ネットで言えば、以前つながり男子でもご紹介したmixi(ミクシィ)、巨大掲示板である2ちゃんねる、そして検索サイトのGoogle(グーグル)、他人がブックマークしたサイトの集積である「ソーシャルブックマーク(例:はてなブックマーク)」、百科事典のWikipedia(ウィキペディア)、動画サイトのYouTube(ユーチューブ)、書籍を中心としたオンライン通販サイトのamazon(アマゾン)、音楽配信のiTunes Storeなどをよく使います。
これらのウェブの特徴は、ただ利用するわけではなく、参加型のサイトであるということです。ちょっと聞かなくなってきた言葉ですが「Web2.0」的なものが多いとも言えるでしょう。
友人とつながり合い(mixi)、さまざまな意見を書き込み(2ちゃんねる)、多くのユーザーに見られているサイトを検索し(Google、ソーシャルブックマーク)、ユーザーによって作られた百科事典で調べ物をし(Wikipedia)、ユーザーが投稿する動画を見る(YouTube)、ユーザーのお薦めする書籍や音楽を購入し、ダウンロードする(amazon、iTunes Store)。
チェック男子は、このように、ほかのユーザーの声をチェックして、自分の得るべき情報をチェックするのです。
この取材の中でも「○○を見ましたか?」とか「○○を知っていますか?」と聞くと、「それはウェブ(ネット)でチェックできますか?」と聞き返されることがとても多かったです。
「ウェブにないものは、ぼくにとっては『この世にない』ことと同じなんですよね」という発言もありました。
画質・音質にはこだわらない
チェック男子は、レンタルDVDでさえ、「返却するのが面倒だし」と言って借りないくらいです。「YouTubeでチェックしますからいいんですよ」と言うのです。
「でも全編見られるわけでもないし、DVDのほうがずっと画質がいいですよね。パソコンの画面で小さいYouTubeの画面で、見て面白いですか?」と聞くと、「画質とかはさして気にしないですね」とのこと。
画質にこだわらないことと同じように、音質に対しても大きなこだわりがありません。
これはやはりiPodをはじめとしたデジタル音楽プレーヤーの登場によるものが大きいでしょう。
音楽データを不可逆圧縮しているので、音質は劣化するわけですが、それはあまり気にならないのです。
もちろん、オーディオマニアやホームシアターマニアという層もいますが、やはりお金がかかりますので、バブル世代以上が中心になっているのです。
このように、チェック男子は「とりあえずチェック」することがメインなので、絵や音の質には大きな価値を見いだしません。
コンプリートにもこだわらない
またテレビ番組も、テレビパソコンやHDDレコーダーなどでとりあえず録画して、あとでまとめてチェックします。
かつては「8時だヨ!全員集合」に象徴されるように、その曜日のその時間にその番組を見ることは、ひとつの大きな生活習慣だったわけです(しかも原則的に公開生放送でしたから、ドリフターズもスタッフも会場の客も視聴者もみんなが8時になるとまさに全員集合していたわけですが)。
しかし、チェック男子には「何曜日の何時に○○を見る」という視聴習慣はありません。
同じ番組を何週間分かまとめて見たり、夜中にいくつかの番組を流し見て、まさにチェックしているのです
いまやBS、CS、ケーブルテレビ、ネット配信などの多チャンネルで、本当に多くの番組が流れていますから、古いもの、レアなものを簡単に見ることができます。
たとえば筆者に「CSで『傷だらけの天使』チェックしましたよ、ショーケンって渋いですね」などと言ってくるU35男子がいます。
しかし、「ああ、あの最終回が衝撃ですよね」と答えると、「何話か見ただけなので、最終回は見てないんすよね」と言われてしまう。
映画でも「『エイリアン2』をチェックして面白かった」と興奮しているのに、続編の「3」や「4」どころか、第1作さえ見ていなかったりします。
チェック男子は、面白いからといって、原作や第1作まで遡ったり、最後まで追いかけるということにもそんなにこだわりません。
そのこだわりのなさはどこからくるのか。
それは「見たくなれば、いつでもどこかで見られる」と思っているからです。
彼らにとって情報は「あとで読む」「いつか見る」ことができるものなのです。
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