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 「わたしのキャリアを邪魔するのは誰だ?」

  • 野々村人事部長,永禮 弘之

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2007年3月19日(月)

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 春は人事異動の季節。人事部恒例の大仕事の1つであり、社員にとっても関心事。今回は、人事異動とは切っても切れない「キャリア開発」の問題を考えてみたい。

 「経営企画室勤務はエリートコース」「社長は常に製造畑経験者から出ている」。社内にキャリアに関する“神話”がある会社は少なくない。財界人が自分の経歴を振り返る「私の履歴書」(日本経済新聞社)を毎日つぶさに読んでいる人も多い。アマゾン・ドット・コムのサイトで「キャリア」という言葉で和書のタイトル検索をしてみると、約1000件の書籍がヒットする(2007年2月現在)。「いかに自分のキャリアを開発するか」は社会人にとって興味が尽きないものだ。

会社の95%が「キャリアづくりは社員の自己責任で」と答えている

 終身雇用の崩壊、組織のフラット化が進んだことで社内のポストは激減している。会社が社員全員に昇進の機会を用意することは難しくなってきている。そのため、社員は、自分でキャリアを切り開いていく道を模索せざるを得なくなってきた。長期的な経営環境の見通しがつかない中、「キャリア開発は自己責任で」と会社も労働組合も唱えている。

 独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した2004年の調査(「教育訓練とキャリア相談に関する調査」)では、「従業員には、これまで以上にキャリア設計を自分自身で考えてほしいか」の問いについて、「そう思う」「ややそう思う」と回答した会社は95%に上っている。

 だが、「キャリアの自立化」という名の下で果たされていないものが2つある。1つは会社側が事業ニーズに基づいて、必要となる人材を選抜・育成するためのキャリアパス(=キャリアアップの道筋)が明確に示されていないこと。

 そして、もう1つが、会社が用意したキャリアパスと社員個人の意思をすり合わせて人事異動や教育に十分反映されていないことだ。このような状況では、自立的なキャリア開発をまじめに考える社員ほど、将来の自分の姿が見えなくなり、とまどいや不満を持ってしまう。

 中堅流通業のマルコーでは「キャリアの自立化」に向けて、「キャリア申告制度」の導入が検討されている。これは人事異動前に社員に自分の希望を申告してもらい、社員の異動プランにできるだけ反映する試みだ。

 この制度の導入は、人事部長の野々村さんの肝いりで決めたプランだ。野々村部長は「この制度がこれまで以上に、社員一人ひとりの能力向上と仕事のやりがいをもたらすに違いない」と期待を寄せている。

 ところが、この制度には大きな問題点があることが見えてきた。それは「キャリア申告制度」を既に導入している会社の人事部長たちとの会合の中でのことだった。

 ある料理店の個室。流通小売人事研究会で知り合ったアパレル製造・小売りチェーンの人事部長がこうぼやいた。

 「キャリア申告制度は人事のトレンドだから、うちの会社でも入れてはみた。意外な人材が発掘できるかもしれないしね。でもね、フタを開けてみれば、社員のほとんどが “現状維持”か“現状の延長線上”のことしか申告してこなかったんだよ。でも、本当に現状のキャリアに満足しているとは思えないんだけどね」

 「何でそう思われるんです」。野々村部長は尋ねた。

 「その証拠に社員の不満や不安の声がいくつも上がってくるんだよ。あれだけ事前にこの制度の説明会を開くなど努力したんだけどね。かえって社員の不信をあおってしまったみたいだよ」

 どんな声が上がってきたんですか? 野々村部長の反応に相手は少し困った顔をしたが、「同じ問題は起こしてほしくないから、野々村さんの胸の中にとどめておいてくれるなら、代表的なものならね・・・」と社員の“生の声”を教えてくれた。


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