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経営学の謎 「組織をフラット化したのに現場の情報が集まらない」

机上の組織論が管理職のメンタルヘルスをむしばむ

  • 野々村 人事部長, 永禮 弘之

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2007年3月26日(月)

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 春は組織変更の季節。今回は、「権限委譲」や「組織のスリム化」という名目で、多くの企業で進んだ「組織のフラット化」を取り上げてみよう。

 組織のフラット化は、「シンプル・イズ・ベター」の精神で、組織の簡素化と現場への権限委譲を打ち出した考え方。経営トップから一般社員まで、階層が細かく分かれ、○○長というポジションが多いのが従来の組織。組織のフラット化はトップや部門長の下に、たくさんのポジションが並列する「文鎮型組織」への移行。現場に権限を移すとともに、直接収益に貢献しない中間管理職の数を減らすために導入された。

「本当にフラットな組織はいいのか?」を検討せよ

社長

社長

 人事部長・野々村さんは社内の組織風土改革プロジェクトの責任者でもある。大黒社長から「組織のフラット化を目指して取り入れた現在の広域本部制度が本当に望ましい組織か」を吟味し、必要であれば組織改革案を今年3月の経営会議に諮るように言われていた。

 関東を中心に全国に店舗を出している中堅流通業のマルコーでは、1990年代後半までは典型的なピラミッド組織を敷いていた。本社本部をトップに各県に支部長を置き、その下に県内の店舗を指導するエリアマネジャーたちが動く組織だった。

 90年代の景気の低迷で、この組織に弊害が出てきた。各県の売上高が支部長の主な評価指標になっていたことと、支部長が県単位で出店と閉店を決めていたため、支部長は出店には積極的で、不採算店を閉めることには二の足を踏んだ。その結果、出店した翌年に不採算店に転落するような店が増え、全社の業績が悪化してしまった。部分最適が優先されるピラミッド組織の弊害が出てきたのだ。

風通しのいい組織なのに「コミュニケーション不足」

 そこで、コンサルタントの助言を受け、マルコーは「広域本部制」を導入した。県単位の支部制を廃止し、北関東、南関東、東海など地域本部を置く体制に変えた。この広域本部制では各広域本部長が営業利益の責任を負う。そして、より広い地域で出店戦略を練り、地域の営業利益を上げることに専念してもらうことにした。一方、過去の負の遺産である閉店コストは本部で負担することにしたので、不採算店の閉鎖が進み、全社の利益も増えた。

 ただ、最近、景気が回復し始め、出店規制の変更という環境変化が起こると、風向きが変わってきた。どうやら本部長とエリアマネジャー、エリアマネジャーと店長の間のコミュニケーションがうまくいっていないようなのだ。本部の政策の狙いや進め方がエリアマネジャーから店舗にきちんと伝わらず、店舗運営に混乱が生じているらしい。エリアマネジャーの中には、忙しさから体調を崩したり、メンタルヘルスを損なったりして、退職するものも出てきている。「現場で何が起こっているのか、しっかりつかんで、何が問題でどうすればいいのか検討してくれないか」というのが大黒社長の指示だ。

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