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日本企業の8割は選抜人事を実施中または検討中

  • 野々村 人事部長, 永禮 弘之

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2007年4月23日(月)

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 財団法人社会経済生産性本部の2006年の調査によると、「幹部育成に向けた選抜人材教育を実施中」または「現在実施の方向で検討中」の企業は、回答企業全体の8割に上る。次世代リーダーの育成は多くの企業の関心事。今回は、選抜人事について考えてみたい。

野々村人事部長

野々村人事部長

 心地よい風が吹く4月のある日。日本企業の人事担当者の代弁者、野々村人事部長は、午後から、「次世代リーダー育成を考える」事例研究フォーラムに参加する予定だった。大黒社長から、「このフォーラムに参加してほしい」と言われたからだ。

 2カ月前、社長室で、大黒社長が真剣な面持ちで話しかけてきた。

大黒社長

大黒社長

 「私は、将来の経営を任せられるような人材が育っていないことが気がかりなんだ。現幹部たちは、実直で小売りのことを知り尽くしている。数店しかなかった『大黒商店』の時代から、先代を支えてくれた功労者。だが、会社の将来を考えると、次の幹部には別の能力が必要だ。小売りの改革や事業多角化、M&A(企業の合併・買収)など、新しい経営戦略のかじ取りを任せられるリーダーだ」

 大黒社長は話を続ける。「これまでは、私が独断で、武田顧問や野々村くんといった人たちを、社外から引っ張ってきた。だが、同じように幹部を社外から見つけてくるには、時間も金もかかる。リーダー不足を解消するには、今いる社員の中から、将来性のある人材を一刻も早く見つけて鍛えていかなければ」

 だが、マルコーでは、皆が日々の業績達成に追われ、将来のことなど考える暇もない。「この状況で、次の幹部候補を社内から見つけられるのだろうか」。そんなことを思いながら野々村部長は、フォーラム会場へと急いだ。


社外の優秀な人材は引く手あまた

 この数年、多くの日本企業が選抜人事に熱心に取り組み始めている。 理由の1つが、リーダーに求められる能力が高度になっていること。激しい環境変化や企業間競争に打ち勝つために、これまで以上に経営能力とリーダーシップが大切になる。マルコーがいる流通業界でも、大手企業が倒産寸前までいった揚げ句、ライバルに吸収されてしまったのは記憶に新しい。早期選抜と計画的育成によって会社を引っ張る強力なリーダーを揃えなければ、いつ会社が傾くか分からないのだ。

 さらに、優れた人材の確保が難しいことも拍車をかけている。人材市場では、高い成果を上げリーダーシップを発揮できる人材は引く手あまたで、そう簡単には採用できない。また、高い報酬と時間をかけてスカウトした「外様」人材が、自社に溶け込めないリスクもある。社内の人材であれば、一時的なコストをかけずに、長い期間をかけてダイヤの原石を磨き上げていくことができる。

 選抜人事のメリットは大きいが、簡単にはいかないケースも少なくない。

後継者はなかなか決められない

 経営幹部を早期から育てるならば、選抜対象者は30代。経営の要職で10年間フルに活躍してもらうには、就任の時期は50歳前後だ。それまでに、経営者として通用する経験を積まなければならない。遅くとも30代の半ばから経営者としての教育を始めなければ、間に合わないのだ。

 時代が違うが、本田宗一郎は、30代で経営を既に経験。本田技研工業を設立して社長に就いたのは、40代の初めだ。かといって、30代の人材を選抜するには、不確定要素が多過ぎる。自社の将来を担う経営者の要件は何かはっきりしないし、若い候補者の潜在能力を見極められるのか、という迷いがある。経営者や人事部門が早期選抜に二の足を踏んでしまうのだ。

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