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野々村部長 VS 5人の人材開発プロ

人材開発責任者たちと語る(1)--会社側の論理

  • 野々村 人事部長,永禮 弘之,瀬川 明秀

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2007年5月14日(月)

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 5月も半ばとなれば異動も新入社員研修もやっと落ち着く時期だろう。多くの社員が、新たなキャリアのステージに立つ。本連載第5回の「キャリアの自立化」で、キャリア開発の問題を取り上げたが、「キャリア開発は個人責任」と言っても、会社側にも責任がある。お互いが責任を果たし合いながら、選び選ばれる関係が望ましい。今回は、「会社側」の視点でキャリア開発を語りたい。

 4月中旬、社員のキャリア開発に携わっている5人の方にお集まりいただいた。所属企業の取り組みや持論を語っていただくためだ。今回から、2回にわたって、この座談会の様子をお届けする。

 第1回は、「会社内での役職や経験」と、とらえられがちなキャリアを、個々人の「生き方や生き様」という視点でもとらえてみる。その時に、社員のキャリア開発において、何が課題となるかを考える。

【参加者】

飲食さん:飲食小売りチェーン 人事部長
飲食小売り一筋。現職では店舗を支援する立場として、「サッカーのゴールキーパー」を自認。自分の存在意義を確かめたい、若い人に対して何かを伝えたい、という気持ちが高まり、数年前に今の会社に転職。やりたいことがたくさんあるので、10年さかのぼってもう一度若くなれたら、と最近感じている。

コンサルさん:人材開発プロデュースを手がけるコンサルティング会社代表
グローバル外食チェーンに、アルバイトから32年勤務。会社の成長とともに歩む。社内の主要なポストを経て、全社教育の責任者に。自分の立てた教育施策がみるみるうちに組織に浸透していく面白さを味わう。その後、人材育成を追求するために今の会社を立ち上げ。100年を超えて存続する企業を作りだすことが目標。

製薬さん:製薬メーカー 人事担当取締役
4000人規模の会社で、人事全体を見ている。これまで、日系・外資系の数社で、海外勤務や企業買収など、幅広い経験を得る。団塊世代には珍しく、早くから人材の市場価値を重要視し、会社に依存しないキャリアを積んできた。日本文化と米国の仕組みの融合で、日本にしかできない世界最強の集団を作りたい、が持論。

金融さん:金融サービス 人事部ディレクター
外資系の今の会社に転職して約1年。それまでは日系の電機メーカーに20年近く勤務。そこで人事制度改革、成果主義の導入を成功させた経験を持つ。前職では、組織に安住している人たちに刺激を与えることが役目だったが、今は逆に、刺激を求め続ける人たちをどうリテンションするかを考える立場に立つ。

自動車さん:自動車メーカー 人事部 人材開発センター 国際研修担当マネジャー
21年間、ずっと人事総務畑。3~5年ごとに異動し、国内工場、本社、業界団体出向、海外工場勤務などを経験。多彩な異動先のおかげで、同じ企業にいながらも、多くの刺激を受け視野を広げる。所属企業は、創業以来、「主役は社員、会社は機会を与える」という考えのもと、社内共通のキャリアパスを作っていない。

社内キャリアだけが社員の望むキャリアではない

野々村部長:まず、キャリア開発での課題をお伺いできますか。

飲食さん:主戦力の契約社員を軸としたキャリア開発をどう行うのか、考えなければいけないと思っています。正社員のキャリアは社内でタテに伸びていく。でも、正社員も契約社員も、全部がそれに乗るのか、というとそうではない。ひと頃、契約社員もアルバイトもみんなが店長候補、としていました。

 ところが、店長をみんながやりたいというわけではないんですね。こうした問題について、今日はヒントを得られればいいな、と(笑)。

コンサルさん:社員がキャリアの意味をとらえる時、大きく分けると2つのタイプがあると思っています。1つは、キャリアを「社内のタイトル(役職)」だと考える人。もう1つは、キャリアを「自分の働く場所、やりたいこと」と考えて、それを探し求めている人。だから「タイトル」という意識はない。

 前職の会社では、この役職になると、その次はこの役職で、このくらい昇給、というようなキャリアパスが細かくはっきりしていました。その通りにやれば、キャリアアップできる。でも、どうも違うな、役職はともかく、もっと楽しい方がいいな、と思っている人もいるんです。今の上司の下でなければ何でもいい、という人間関係重視の人だっている。

 コーポレートキャリア(社内キャリア)とライフキャリア(人生のキャリア)は並行です。会社で何をやるか、ということと同時に、自分の生き方とか、生き様を考えています。

コーポレートキャリアとライフキャリアのズレがジレンマを呼ぶ

コンサルさん:私は、前職を辞めてから、大学院に行ってこの間、卒業しました。周囲の同級生は平均年齢が37~38歳で、働きながら勉強に来ている。みんな、よい意味でも悪い意味でも、会社のことだけを考えているわけではない。ライフキャリアも考える視野の広さを持っています。会社から派遣されて来ていてもそうです。

 ただ、会社に戻ると、会社のキャリアだけを考えてしまう。そこでジレンマが起こるんですが、それの両方を一致させる人もいるわけです。会社の中で、自分の生き様がどう展開できるかを、社員自身がわかっている会社にいる人は、それができるんです。

最近は、若手のキャリア開発に問題意識が移っている

製薬さん:タテの展開(コーポレートキャリア)とヨコの展開(ライフキャリア)を統合するのは難しい。日本の社会全体が、ある程度タテに出世しないと意義がないという考え方が極めて強い。

 その中で、社会の梯子を昇らない人たちの意識と、その人たちを社会がどう認知していくか、がまだ十分できていない。フリーターなど、正社員じゃない身分はダメ、大企業じゃないとダメ、というタテの価値構造になっている。

 でも、いずれはタテのポジションに就かなくても自分の道を歩むことで満足して、認められる社会がそのうち来るでしょうが、まだ過渡期です。

 高学歴が普通になったうえに、右肩上がりじゃなくなり、大学を出ていてもポジションが得られない社会になっている。社員としてのステータスは違うが、みんな高等教育を受けている人たち。そういう人たちをモチベートするのは非常に大きなチャレンジだと思います。

金融さん:今の学生は、固定的にサラリーマンとして勤務することに嫌悪感を持っている。ずっと同じ会社にいることが恐いという気持ちもある。契約社員志向の人だけではなく、正社員志向の人でもそう思っている。企業のキャリアセンターも中高年の社員や、人材公募への取り組みがメインに見えるようで、若手のキャリア開発に問題意識が移っていますね。

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