「野々村人事部長の歳時記」

日本人はいまや“怠け者”の代名詞?
働く意欲は世界16カ国中ワースト2位

仕事量が増える一方で給料が伸び悩み 蔓延する「徒労感」

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2007年6月4日(月)

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16カ国中15位の低い労働意欲、働き蜂の面影はなし!

 6月は梅雨の季節。じめじめと雨が降る中、会社に向かう足どりも重くなりがちだ。なかなかやる気が起きないのは、天気のせいばかりなのだろうか。

 人事・組織コンサルティングを世界各国で行っているタワーズペリンが2005年に実施した調査によると、「働く意欲が低い」と答えた割合は、日本では回答者全体の41%に達する。これは、調査対象16カ国中、インドに次いで2番目に悪い値だ。かつて、高い労働意欲と会社に対する忠誠心を示し、世界に「働き蜂」として名をはせた面影は、日本人に残っていないのかもしれない。

 そこで今回は、日本企業における社員のモチベーション向上の取り組みを取り上げたい。

野々村さんの会社でもショックなアンケート結果が出た

 日本企業の人事担当者の代弁者、野々村さんは、中堅流通チェーン・マルコーの組織風土改革プロジェクトの責任者でもある。プロジェクトルームの丸テーブルで、昨年2月に全社員に行った「社員意識調査報告書」を前にして、頭を悩ましていた。野々村さんが予想していた以上に、社員の士気が下がっていることを、調査結果は示していたからだ。「昨今の人手不足もあり、疲弊感と“やらされ感”が高じて退職者が増えるかもしれない・・・」。

 「社内では経営企画が中心に『ビジョン2010』を作り始めたらしいが、会社が目指す姿が分からない。成果主義が導入されて、数値目標は明確になったが、実際の既存店の売上高は、いまだに前年比マイナスだ。マルコーが何をもって市場で生き残っていくのかをはっきりさせないと、顧客がどんどん離れてしまうのではないか」(本社商品企画・主任)

 「昨年店舗から本社に異動してきてから、やる気が下がってしまった。お店でお客様と接している時は、仕事の手応えがあった。本社に来てから、決められた業務をこなすだけの歯車になってしまったような気がする」(本社経理部・スタッフ)

 「いろいろ新しい仕事を任せてもらっており、会社が自分に期待してくれているのは痛いほど分かっているのですが、自分の能力に自信が持てません。私はマネジャーには向いてないのだと思います」(東海本部・エリアマネジャー)

 「会社は成果、成果と言うけれど、評価の基準ややり方が一方的で、納得感が低い。数字に表れること以外はどうでもいいのだろうか?」(北関東本部○○店・店長)

 「成果主義になってから、地域本部やお店の間で情報共有や助け合いがかなり減ってしまった感じがする。自分のことしか考えないというか、何か殺伐とした雰囲気になってしまった」(首都圏本部企画管理部・課長)

 「正直言って出世や肩書きには興味ありません。接客の仕事が好きで、地元で評判がいいマルコーに入ったのですから」(南関東本部○○店・スタッフ)


負け組会社の社員は先行きが不安 勝ち組会社の社員は仕事についていけない

 マルコーの社員たちの声からどんなことが読み取れるのか? 日本企業の社員の働く意欲が上がらない原因を整理してみよう。

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著者プロフィール

野々村人事部長

野々村人事部長

年齢は48歳。
大学卒業後、電機メーカーに入社。営業の仕事に従事し、10年目に人事部へ異動。採用から研修、人事考課の取りまとめまで、3年でひととおり人事の実務を経験した。人事部在籍4年目の人事課主任の時に、中堅の半導体用機械メーカーに転職し、採用マネジャー、教育研修マネジャー、人事課長と、人事畑で着実に経験を積む。人事部部長代理になって2年目の43歳の秋、大学時代のラクビー部の先輩で、中堅の流通チェーン・マルコーの2代目社長・大黒氏から乞われて、人事部長に。現在は、同社で人事・教育全般の統括と、組織風土改革プロジェクトの事務局長を務めている。

永禮 弘之(ながれ ひろゆき)

永禮 弘之

株式会社エレクセ・パートナーズ代表取締役
これまで、化学会社の経営企画、外資系コンサルティング会社のコンサルタント、衛星放送会社の経営企画部長・事業開発部長、組織変革コンサルティング会社の取締役などを経て現在に至る。建設、化学、医薬品、食品、自動車、電機、情報通信、小売、外食、ホテル、教育出版、文具など幅広い業界の企業に対して、7000人以上の経営幹部、若手リーダーの育成を支援。ASTD(アメリカに本部がある、世界最大の人材開発・組織開発の非営利団体)日本支部理事、リーダーシップ開発委員会委員長。

著書・雑誌寄稿:『強い会社は社員が偉い』日経BP社、『問題発見力と解決力』日経ビジネス人文庫(共著)、『グループ経営の実際』日本経済新聞社(共著)、『日経ビジネスオンライン』連載「野々村人事部長の歳時記」、『日経ビジネスアソシエ』連載「MBA講座」、最近の著書に『強い会社は社員が偉い 社員様第一経営のススメ』(NB Online book)がある。

 

瀬川 明秀(せがわ・あきひで)

日経ビジネス副編集長。



このコラムについて

野々村人事部長の歳時記

昨今、日本企業に取り入れられている人材育成や人事の仕組みや考え方について、研修やコンサルティングをする中で、我々が聞いてきた疑問の声を取り上げながら、人事のあるべき姿について皆さんと考えていく。

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