「野々村人事部長の歳時記」

「部下がいない管理職は学習してないので
30代、40代になっても幼い顔をしている」

企業の人材開発責任者が語る(1)

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2007年7月17日(火)

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 昨今、新卒採用者の3分の1が3年以内に退職するという定説が生まれ、人手不足で転職市場はにぎわっている。そして、企業買収や合併の話題が、新聞に載らない日はないくらい、多くの組織が統合したり消滅したりしている。

 結果として、組織と社員の流動化が激しくなっている。そこで、組織・人材の流動化、「組織の新陳代謝」について、野々村さんと現役の人事・人材開発のプロ3人が語り合った。今回から2回にわたって、この座談会の内容をお届けする。

 組織の新陳代謝は、採用や退職、異動、評価・処遇、組織風土など、人材マネジメント全体の問題だ。また、多くの企業の悩みは、「よい人材が採れない。優秀な人が辞め、問題がある人がしがみつく」ということではないか。

 第1回は、新卒採用と、会社内での流動化であるローテーションについて、考えていく。

座談会

【参加者】

Aさん: インターネット事業 人事部長
大手百貨店から、インターネット業界の面白さに惹かれ、現在の会社に設立後すぐに参画。当時20人くらいだった社員が1000人以上に増えるまで、会社は成長。営業部長を数年務めた後、人事部長になる。経営陣と社員を繋ぐハブの役割を目指している。

Bさん: システムインテグレータ 人事部長
教育サービス機関、外資系コンサルティングファーム、情報戦略系ベンチャーなど、数社を経て、現職に。経営戦略、営業、人事と多彩な経歴を持つ。システムインテグレータでは、社員の品質が会社の品質。社員をプロ化するのが、人事部の使命と考えている。

Cさん: 人財開発コンサルティング 代表
新卒で外資系メーカーに入社。人事部で採用、日本企業との合弁事業立ち上げ、新事業のマーケティングに携わる。その過程で、組織において人間の感情への配慮の大切さに気づき起業し、順調に拡大。2社目を立ち上げて現在に至る。「自分のキャリアは自分で守れ」が信条。


「ベンチャー=ドライな風土」は勘違い

野々村さん: 今回は、新卒採用、ローテーション。それから中途採用、退職といった人材マネジメント全体で「組織の新陳代謝」について、みなさんと考えたいと思います。「どうやって組織の代謝を良くして、いつまでも会社と社員が元気でいられるか」について、語っていきましょう。

 まず、入口のところ、新卒採用ですが、Aさんの会社は、ベンチャーですが、新卒の定着率が非常に高いらしいですね。仕掛けというか会社側の意図、それから社員側がどうそれをとらえているのか、両方の立場からお話しいただけますか。

A: 以前はベンチャー企業ということもあり、定着率がよくなかったんですね。2〜3割は1年以内に辞めてしまうような状態でした。そこで、数年前に、役員陣が人事制度の活性化をちゃんとやろうと決めたことが、まず大きかったですね。

 ベンチャーはすごくドライとか、ベンチャー=個人主義と言われますけど、それは絶対に間違いだと思っています。社外の方から、私たちの会社は、非常にウェットだとよく言われます。ベンチャーに入る人というのは、やり甲斐を求めて来るので、やり甲斐を達成するためには、独りではできない、チームワークが必要だということが、仕事を通じて分かってくるんですね。

 部門横断のコミュニケーションをよくするために、部活動の支援制度なんかも積極的にやっています。また、ミッションステートメントの中でも、「優秀な人が一生働ける会社をつくる」ということを明言しています。

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著者プロフィール

瀬川 明秀(せがわ・あきひで)

日経ビジネス副編集長。日経BPビジョナリー経営研究所 研究員。


野々村人事部長

野々村人事部長

年齢は48歳。
大学卒業後、電機メーカーに入社。営業の仕事に従事し、10年目に人事部へ異動。採用から研修、人事考課の取りまとめまで、3年でひととおり人事の実務を経験した。人事部在籍4年目の人事課主任の時に、中堅の半導体用機械メーカーに転職し、採用マネジャー、教育研修マネジャー、人事課長と、人事畑で着実に経験を積む。人事部部長代理になって2年目の43歳の秋、大学時代のラクビー部の先輩で、中堅の流通チェーン・マルコーの2代目社長・大黒氏から乞われて、人事部長に。現在は、同社で人事・教育全般の統括と、組織風土改革プロジェクトの事務局長を務めている。

永禮 弘之(ながれ ひろゆき)

永禮 弘之

株式会社エレクセ・パートナーズ代表取締役
これまで、化学会社の経営企画、外資系コンサルティング会社のコンサルタント、衛星放送会社の経営企画部長・事業開発部長、組織変革コンサルティング会社の取締役などを経て現在に至る。建設、化学、医薬品、食品、自動車、電機、情報通信、小売、外食、ホテル、教育出版、文具など幅広い業界の企業に対して、7000人以上の経営幹部、若手リーダーの育成を支援。ASTD(アメリカに本部がある、世界最大の人材開発・組織開発の非営利団体)日本支部理事、リーダーシップ開発委員会委員長。

著書・雑誌寄稿:『強い会社は社員が偉い』日経BP社、『問題発見力と解決力』日経ビジネス人文庫(共著)、『グループ経営の実際』日本経済新聞社(共著)、『日経ビジネスオンライン』連載「野々村人事部長の歳時記」、『日経ビジネスアソシエ』連載「MBA講座」、最近の著書に『強い会社は社員が偉い 社員様第一経営のススメ』(NB Online book)がある。

 



このコラムについて

野々村人事部長の歳時記

昨今、日本企業に取り入れられている人材育成や人事の仕組みや考え方について、研修やコンサルティングをする中で、我々が聞いてきた疑問の声を取り上げながら、人事のあるべき姿について皆さんと考えていく。

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