昨今、新卒採用者の3分の1が3年以内に退職するという定説が生まれ、人手不足で転職市場はにぎわっている。そして、企業買収や合併の話題が、新聞に載らない日はないくらい、多くの組織が統合したり消滅したりしている。
結果として、組織と社員の流動化が激しくなっている。そこで、組織・人材の流動化、「組織の新陳代謝」について、野々村さんと現役の人事・人材開発のプロ3人が語り合った。今回から2回にわたって、この座談会の内容をお届けする。
組織の新陳代謝は、採用や退職、異動、評価・処遇、組織風土など、人材マネジメント全体の問題だ。また、多くの企業の悩みは、「よい人材が採れない。優秀な人が辞め、問題がある人がしがみつく」ということではないか。
第1回は、新卒採用と、会社内での流動化であるローテーションについて、考えていく。

【参加者】
Aさん: インターネット事業 人事部長
大手百貨店から、インターネット業界の面白さに惹かれ、現在の会社に設立後すぐに参画。当時20人くらいだった社員が1000人以上に増えるまで、会社は成長。営業部長を数年務めた後、人事部長になる。経営陣と社員を繋ぐハブの役割を目指している。
Bさん: システムインテグレータ 人事部長
教育サービス機関、外資系コンサルティングファーム、情報戦略系ベンチャーなど、数社を経て、現職に。経営戦略、営業、人事と多彩な経歴を持つ。システムインテグレータでは、社員の品質が会社の品質。社員をプロ化するのが、人事部の使命と考えている。
Cさん: 人財開発コンサルティング 代表
新卒で外資系メーカーに入社。人事部で採用、日本企業との合弁事業立ち上げ、新事業のマーケティングに携わる。その過程で、組織において人間の感情への配慮の大切さに気づき起業し、順調に拡大。2社目を立ち上げて現在に至る。「自分のキャリアは自分で守れ」が信条。
「ベンチャー=ドライな風土」は勘違い
野々村さん: 今回は、新卒採用、ローテーション。それから中途採用、退職といった人材マネジメント全体で「組織の新陳代謝」について、みなさんと考えたいと思います。「どうやって組織の代謝を良くして、いつまでも会社と社員が元気でいられるか」について、語っていきましょう。
まず、入口のところ、新卒採用ですが、Aさんの会社は、ベンチャーですが、新卒の定着率が非常に高いらしいですね。仕掛けというか会社側の意図、それから社員側がどうそれをとらえているのか、両方の立場からお話しいただけますか。
A: 以前はベンチャー企業ということもあり、定着率がよくなかったんですね。2〜3割は1年以内に辞めてしまうような状態でした。そこで、数年前に、役員陣が人事制度の活性化をちゃんとやろうと決めたことが、まず大きかったですね。
ベンチャーはすごくドライとか、ベンチャー=個人主義と言われますけど、それは絶対に間違いだと思っています。社外の方から、私たちの会社は、非常にウェットだとよく言われます。ベンチャーに入る人というのは、やり甲斐を求めて来るので、やり甲斐を達成するためには、独りではできない、チームワークが必要だということが、仕事を通じて分かってくるんですね。
部門横断のコミュニケーションをよくするために、部活動の支援制度なんかも積極的にやっています。また、ミッションステートメントの中でも、「優秀な人が一生働ける会社をつくる」ということを明言しています。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




からのご案内




