「野々村人事部長の歳時記」

「Change or Die」〜淘汰の時代に
個人に求められているもの

企業の人材開発責任者が語る(2)

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2007年7月23日(月)

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 前回に続いて、「組織の新陳代謝」についての座談会の様子をお送りする。

 今回のテーマは、まず「中途採用者をどのように定着、能力発揮させていくか」という課題。もう1つは、「M&A(企業の合併・買収)や事業売却・撤退に関して、余剰人員対策や優秀な人材の流出を防ぐにはどうすればよいか」という課題である。

座談会

【参加者】

Aさん: インターネット事業 人事部長
大手百貨店から、インターネット業界の面白さに惹かれ、現在の会社に設立後すぐに参画。当時20人くらいだった社員が1000人以上に増えるまで、会社は成長。営業部長を数年務めた後、人事部長になる。経営陣と社員を繋ぐハブの役割を目指している。

Bさん: システムインテグレータ 人事部長
教育サービス機関、外資系コンサルティングファーム、情報戦略系ベンチャーなど、数社を経て、現職に。経営戦略、営業、人事と多彩な経歴を持つ。システムインテグレータでは、社員の品質が会社の品質。社員をプロ化するのが、人事部の使命と考えている。

Cさん: 人財開発コンサルティング 代表
新卒で外資系メーカーに入社。人事部で採用、日本企業との合弁事業立ち上げ、新事業のマーケティングに携わる。その過程で、組織において人間の感情への配慮の大切さに気づき起業し、順調に拡大。2社目を立ち上げて現在に至る。「自分のキャリアは自分で守れ」が信条。


中途採用のカギは「郷に入れば郷に従え」

野々村さん: Aさんの会社の中途採用の方の定着率はどうですか?

A: 半々ですね。幹部クラスでも、中途入社で活躍している人ってかなり多いんですけど、最初に今までの経験を自分でへし折って、新しい組織に馴染めるかがすべてですね。新卒も中途も、「素直さ」を採用基準として厳しく見るようにしています。素直に変化に対応できないことは、マイナスですね。

C: 日本の大手企業では、だいたい中途採用がうまくいってませんね。ある超大手企業では「成功者ゼロ」と聞きました。なぜかというと、中途の人は自分なりのやり方があり、採用する時は、それを買われて入ってきている。ところが、いったん入社してしまうと、受け入れる側の大多数にも、もともとのやり方があって、双方譲らない。そして、ダメになってしまう。

 Aさんの会社みたいに急成長しているところでも、「社員それぞれのやり方が違って、デスマッチを繰り広げている。どうしたらいいか」という、トップの悩みも聞きますよ。

B: 前の会社をいやだと思って辞めた人に限って、「前の会社はこうではなかった」と言うんですよ。これは失敗パターンですね。中途入社して信頼関係を築くには、「郷に入ったら郷に従え」で、そこの会社のやり方でまず業績を上げることが前提なんです。

 私の経験からも、最初はむやみに動かない方がいいです。半年間は観察。観察して、まずは、その会社のやり方で成果を出す。まったく溶け込んでしまうと、中途の存在意義がなくなるので、自己主張は必要ですが、それは、一定期間を過ぎた後からです。

野々村さん: それなりの高い給料をもらい、その会社で実績がないと、あせって「なんとか居場所をつくりたい、自分を認めてほしい」と思っちゃいますからね。それで、つい動いてしまいますよね。

B: 中途入社の人たちの研修をするときに、「とにかく自分を理解して守ってくれるスポンサーをつくってください」と言っています。それが前提なんです。特に大企業は、スポンサーをつくることで、人間関係が広がっていきます。電話一本かければ済むといった人間関係が、中途採用者には、最初はないわけですよ。そこで、まず、スポンサーとか友人をつくって社内情報をきちんと集める。これが基本ですね。

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著者プロフィール

瀬川 明秀(せがわ・あきひで)

日経ビジネス副編集長。

野々村人事部長

野々村人事部長

年齢は48歳。
大学卒業後、電機メーカーに入社。営業の仕事に従事し、10年目に人事部へ異動。採用から研修、人事考課の取りまとめまで、3年でひととおり人事の実務を経験した。人事部在籍4年目の人事課主任の時に、中堅の半導体用機械メーカーに転職し、採用マネジャー、教育研修マネジャー、人事課長と、人事畑で着実に経験を積む。人事部部長代理になって2年目の43歳の秋、大学時代のラクビー部の先輩で、中堅の流通チェーン・マルコーの2代目社長・大黒氏から乞われて、人事部長に。現在は、同社で人事・教育全般の統括と、組織風土改革プロジェクトの事務局長を務めている。

永禮 弘之(ながれ ひろゆき)

永禮 弘之

株式会社エレクセ・パートナーズ代表取締役
これまで、化学会社の経営企画、外資系コンサルティング会社のコンサルタント、衛星放送会社の経営企画部長・事業開発部長、組織変革コンサルティング会社の取締役などを経て現在に至る。建設、化学、医薬品、食品、自動車、電機、情報通信、小売、外食、ホテル、教育出版、文具など幅広い業界の企業に対して、7000人以上の経営幹部、若手リーダーの育成を支援。ASTD(アメリカに本部がある、世界最大の人材開発・組織開発の非営利団体)日本支部理事、リーダーシップ開発委員会委員長。

著書・雑誌寄稿:『強い会社は社員が偉い』日経BP社、『問題発見力と解決力』日経ビジネス人文庫(共著)、『グループ経営の実際』日本経済新聞社(共著)、『日経ビジネスオンライン』連載「野々村人事部長の歳時記」、『日経ビジネスアソシエ』連載「MBA講座」、最近の著書に『強い会社は社員が偉い 社員様第一経営のススメ』(NB Online book)がある。

 



このコラムについて

野々村人事部長の歳時記

昨今、日本企業に取り入れられている人材育成や人事の仕組みや考え方について、研修やコンサルティングをする中で、我々が聞いてきた疑問の声を取り上げながら、人事のあるべき姿について皆さんと考えていく。

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