中途退職、転職をテーマにした前々回のコラム「キャリアアップをしたいは“建前”〜社員が辞める本当の理由」では、多くのコメントを頂いた。中途退職は大切な人生の選択をする瞬間。退職した後は、仕事内容、生活環境・水準、人間関係が大きく変わる。自ら選んだ道とはいえ、決してハッピーな結果ばかりが待っているわけではないのも現実だろう。それゆえに、読者の皆さんからの意見も真剣なものばかりであったと思う。そこで、今回は、頂いたコメントに対するプロのヘッドハンターたちの意見を織り交ぜながら、「本当に成功する転職」を探ってみたい。

野々村人事部長
人事部長、転じてヘッドハンターになる
「野々村さんも、いらしてたんですね」と、ある講演会後の懇親会で、日本企業の人事部の代弁者、野々村さんは突然声をかけられた。振り返ると、そこには数年前の人材開発研究会で知り合い、その後も数回杯を交わしたことがある某大手メーカーの人事部長の笑顔があった。
片手にグラスを持ちながら、片手に名刺入れを持つ姿を見て、野々村さんはピンときた。彼は転職したのだ。案の定、出された名刺は、以前とは異なる社名だった。その右肩には「有料職業紹介事業・・・」の文字。彼は、ヘッドハンターとして新たな人生を歩んでいるらしい。
「転職されたのですね」
名刺を片手に野々村さんが尋ねると、元人事部長はニッコリ笑った。
「ええ。採用する側で色々な候補者に会っていると、一言言いたくなることも多くてね。でも、人事としては言えないじゃないですか」
それはそうだ。アドバイスめいたことを面接で口にすることはあっても、会社を代表する人事の立場の域を出ることはない。
「ミスマッチを何度も見ているうちに、自分でも何か役に立てることがあるんじゃないか、と思うようになりまして。そこで、人材紹介の世界に飛び込んでしまいました。ご挨拶が遅れて申し訳ありません」と、晴れ晴れとした表情だ。人事部長には、いくつかの典型的タイプがある。労組の委員長などを経験した親分タイプ、組織の論理を冷徹に貫く体制派タイプ、熱く改革に取り組む熱血漢タイプ等々・・・。
彼は「闘う人事部長」という印象で、気骨のある人物だ。その彼がヘッドハンターというのは何やら面白そうだ。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。










