前回までの記事で紹介したように、アイデアを整理したり情報を分析するうえで、図解は強力なツールとなる。これに加えて図解には、もう一つ、実用的な利用方法がある。自分が相手に伝えたいことを的確に伝達するための図解、いわば「伝える図解」である。
その効果は誰もが日頃から実感しているだろう。プレゼンがうまい営業マンや部下への指示が的確なリーダーは、説明の手段として図解を効果的に使っている。言葉だけでは伝えにくいことや、伝えるためには膨大な文字量を必要とすることでも、図解ならたった1枚で一目瞭然に表現することができる。シンプルな図によって、豊富な情報を伝えられるのだ。

伝えたいことは何か
では、図解でうまく伝えるには、どうすればいいのか。それほど難しく考える必要はない。
ビジネスコミュニケーションスキル研究所代表の永山嘉昭さんによれば、伝える図解の基本は「囲む」「つなぐ」「配置する」。この3つの表現方法を組み合わせるだけで十分に伝えられる。

だから図を描くこと自体に特別な技能はいらない。絵がヘタでも図解はできるのだ。
むしろ大事なのは、「図解する目的を明確にすること」(永山さん)である。何を伝えたいのかが曖昧では、図解のしようがない。逆に言えば、自分が伝えたい一番大事なことが分かっていれば、表現方法はおのずと見えてくる。
まずはキーワードをピックアップして分類したりして、定番の図解形式(8/3アップの「図解とはコミュニケーション力を高めるツールである!」にある5つの基本図を参照)を使えるかどうかを試してみよう。
それらに馴染まない場合は、別の表現方法を探る。伝えるべき内容の構成要素やその関係を考え、最適な表現方法を選択しよう。なるべくシンプルな形状で、人の感覚に素直に訴えるような図解を作る。そうすれば説得力は格段にアップするはずだ。

永山嘉昭氏
Yoshiaki Nagayama
ビジネスコミュニケーションスキル研究所 代表
1975年横河電機製作所(現横河電機)入社。一貫してドキュメント関連業務に携わる。2003年に独立。図解や文章に関する著書多数。最新刊は『10分間で超速スキルUP! ビジネス文章力の鉄則』(日経BP社)。
右:『説得できる図解表現200の鉄則』
日経BP社、1600円(税抜き)

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