(前回から読む)
深澤 倉田さんがずっと「週刊朝日」で書いていた「ほやじ日記」という連載があるんですが、いろいろなおやじを褒めてた中で一番衝撃を受けたのが、「清原を男として見られるかどうかが女としての成熟を測る踏み絵である」みたいなことを書かれてた回で。
私、家で、「くらたま、ふざけるな! 冗談じゃない!」って、「週刊朝日」をバンっ!とたたきつけたことがあったんですけど(笑)。
倉田 どこに反発を?
深澤 何もかもです(笑)。
倉田 まあ好みはあるでしょうけど。
深澤 好みはあるとしても、「女の成熟の踏み絵が清原」はないんじゃないか?ということを、今日は倉田さんに強く申し上げたいなと思って(笑)。
ところで倉田さんは、おやじのどこが好きなの?
倉田 いや、すべてのおやじが好きというわけじゃないんです。
倉田真由美氏
「どんな人が好きか」と問われたときに答える理想像って、今まで生きてきて一番好きだった人がひな型になるじゃないですか。私の場合、今までの人生で一番好きになった人というのが一回りぐらい上のおやじだったんです。だからどうしても「好きな男」を語るとき、その人がベースになるんですよ。つまり、おやじが好きなんじゃなくて、その人が好き。その人が好きだから、その人のおやじ的なところも愛おしくなるってことです。
深澤 ふむ。では、おやじのよさって何ですか。
倉田 おやじというか、その人のよさになっちゃうんですけど、人間、年を重ねてくるといいところも悪いところもだんだん強調されていくじゃないですか。話を聞かない人はますます頑迷に聞かなくなるし。
深澤 それはそうですね。
倉田 逆に、話を聞く人は、いいところがどんどんよくなっていく。
私が好きになった人は、おやじなんだけど割と人の意見を聞くことができる人だったんです。だから意見がどんどん変わる。最初Aと言ってたのに、情報読んだり話を聞いて、「いや、やっぱり違う」ってAダッシュになって。またいろいろ考えて、いろいろ情報をインプットして、Aツーダッシュというふうに変わる。小泉純一郎みたいに意見を変えない人じゃなかったんです。
深澤 言い張らないんだ。
倉田 そう。いつでも意見を変える柔軟さのある人。そういう人って、年を経るごとに経験が積み重なって、どんどんよくなっていくじゃないですか。そういう美点のある人だったら、年を重ねていくこともプラスになるからいいなと。
で、決して、おやじ全般がそうだというわけじゃありません。
深澤 あなたの好きなおやじがそうなのね。
倉田 ダメなおやじ、話を聞けないおやじは、むしろ嫌い。若い人の方がまだましです。
深澤 話を聞かないおやじは多いよね。何で聞かないのかな?
倉田 話を聞かない人も、「いや、俺は話を聞くよ」って言ってると思うんです。
深澤 言ってるね。
倉田 相づちとかも打つの、うんうんって。
深澤 打ってるね。
倉田 でも実は聞いてない(笑)。耳から入ってきてるし、日本語だから意味も分かるんだけど、噛み砕いて消化してないんです。でも、聞いてないことを自分で知らないの。
深澤 確かに! 気がついてないのかも。
倉田 つまり、自分が話を聞かないタイプだって自覚してる人は誰一人いないわけです。もうひとつ、日本人って意見を変えないことをよしとする美徳みたいなのがあるでしょう。
深澤 安倍晋三のように、「美しい国をつくる」と言い張るみたいな。
倉田 小泉さんもそうだったけど、意見を一貫して一切変えないのが格好いい、みたいに思っちゃう人が多い。
── 『平成男子図鑑』の男子というのは、その真逆にいますよね。
深澤 人の言うことを聞きまくりですから、男子は。それどころかリスペクトしちゃう。
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