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【第8回】女性管理職、ピンチからの脱出法

  • 西山 昭彦

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2007年11月21日(水)

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 筆者は、様々なキャリア講座や大学の講義で多くの女性たちを教える機会がある。そこから巣立ったかつての教え子の中には、現在女性リーダーとなって活躍している人も多い。

 筆者はこうした女性リーダーと、定期的に勉強会も開催している。彼女たちが現場で切磋琢磨する際には、様々な悩みを抱えることも多く、筆者が時に応じてアドバイスする場合もある。今回は、20~40代の女性管理職数人と先日行った会合で出てきた質問と、それに対する回答を掲載してみたい。

相談

部下からの転職相談を受けた場合、どう対処する?

 40代の女性部長からの相談。20代前半の直属部下から、転職の相談を受けた。親身になって相談に乗りたい気持ちはあるのだが、本人の望むままに転職を応援してしまっては、自分の管理責任を問われかねない。こんな時どう対処すべきか。


回答

会社における損益を考えつつ、現実に即した冷静なアドバイスを。

----------

 部下から転職を相談された時どう対応するかは、管理職としての手腕の見せどころだ。まず判断すべきは、この部下が会社にとって必要か不要か。それによって全く対応が異なる。

 残念ながら不要だと思えば、人事部と相談のうえ、後任のめどがつく時期に合わせて本人の希望を受け入れればいい。このまま無理に勤め続けても、本人が将来不幸になるだけだろう。チーム内の仕事が滞ることのないよう時期の調整をして、損失も最小限に抑える。このケースは、それほど難しくない。

 問題は、部下が会社に必要だと思われる人材の場合、どう説得して転職を諦めてもらうかだ。

 まず指摘したいのは、誰にでも逃避願望があるということだ。ビジネスパーソンなら、今の会社を辞めたいと思ったことが一度や二度はあるだろう。特に、仕事を始めて日の浅い20代前半の頃ならば、これまで育ってきた自由な環境と企業の厳しいフレームとの間に落差を感じ、脱出したい気持ちが芽生えるのは自然だとも言える。実際のところ、若年層の転職率も高まっている。

 もし部下が、逃避願望から転職を願っているようなら、上司として自らの体験談を語るのがいいだろう。20代を振り返れば、かつては自分も苦しみ、逃げ出したいと思ったこともあったが、逃げずにそれを乗り越えてきた。もしあの時逃げてしまっていたら今の自分はなかっただろうし、その後に生まれた強さも身につかなかった。

 このように、先輩としての体験ストーリーを語って聞かせることは、部下の迷いを断ち切るきっかけになるだろう。隣の芝生はよく見えるもので、自分の会社に不満がある時は、他の企業のいいところばかり見てしまうものだ。しかし筆者の知り合いのヘッドハンターによれば「前の会社から逃避することが目的の転職は、いい結果を生まない」という。

 ビジネスパーソンに必要な要件は、まずは自分のいる会社の担当分野ではトップクラスのスペシャリティーと競争力を持つこと。その気構えなくしては、転職しても同じことを繰り返しかねないことを指摘したい。

 また、部下の立場に立ってみた、冷静なアドバイスも必要だ。私もかつての教え子から「転職したい」という相談をよく受けるが、その際必ず聞くことは「次に移ろうとしている会社について、どのくらい調べたか」である。ヘッドハンターから誘われている場合も、中途入社の公募に応募する場合も同じだ。意外に、その社の実情をきちんと調べずに「転職したい」と思っている人が多い。

 人事部を通じて得られる企業情報は、採用のために都合のいいことばかりである。自分自身のルートでその会社の社員を探し、企業風土や具体的な仕事内容を聞くべきだろう。ベストは、その会社を退社した人、つまりその会社に対して客観的に話せる人にも話を聞くことだ。

 転職にはメリットとデメリットがつきものだ。大企業に所属するメリットは「安定」だが、その半面挑戦する機会が少ないという欠点もある。標準化された作業や時間の中で働かなければならず、「熱い思い」が通じづらいこともある。

 一方ベンチャー企業であれば、チャレンジングなところはあるけれども、安定性が低い。安定とチャレンジというのは、いつもコインの裏表である。

 この2つの側面を、自分の志向とどうマッチさせるかは、個々人が判断すべき課題だ。ビジネス経験が浅い部下にとって、今の時期は基礎体力をつけ、自分に適した分野を決めていく期間だろう。将来的には、異動や転職ということもあるかもしれないが、「まずは今の仕事を続け、その間にビジネスパーソンとしての競争スキルを身につけ、高めたうえで次のステップに踏み出せばよいのでは」と話し、合意を得るといい。

 こうした客観的かつ現実的なアドバイスができれば、部下も真摯に自分の将来を考えられるだろう。また、結果的に部下がどう行動したとしても、管理者として自分にでき得ることはしたということができる。

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