どれほど優れた計画も、秀逸なアイデアも、それを相手に分かってもらえなければ、成果はゼロだ。自分の秘めたる力も「伝わってナンボ」の世界。しかし、自分の中身を鍛えることには熱心でも、伝え方を工夫していない人があまりにも多すぎる。
人と人が出会って話がうまく進むかどうかは、初めの数分で決まる。その間に、自分の持ち味や魅力を出し切れるかどうかが勝負だ。今回は、第一印象で上手に自己アピールするコミュニケーション術を紹介しよう。
人を見るプロといえば、人材紹介会社の面接担当者がそうだ。以前、東京ガス都市生活研究所が、128社の人材紹介会社を対象に「就職希望者との面接に関するアンケート」とヒアリング調査を行った。この調査結果を基に、面接担当者たちは就職希望者のどこを見て、どう判断しているのかを見てみよう。
まず、就職希望者の実力と面接の合否の関係については、グラフ1のような結果が出た。この場合の実力というのは、前の職場での業績や実際の仕事ぶり、企画力といったものを指している。

グラフ1 就職希望者の実力と合否の関係
企業で求められるのは即戦力。しかしグラフから分かるように、実力があってもうまくアピールできず、面接で失敗する人が想像以上に多い。逆に、それほど実力がなくても、面接に成功する人が3割以上いるから驚く。
では、実力があっても面接に成功しない原因は何だろうか。これについては、グラフ2のような結果が出た。複数回答だが、上位3項目がとりわけ多く指摘されている。

グラフ2 実力があっても、面接に成功しない要因
事前に「何を質問されるのか」「何を注意すればいいのか」を考えてから面接に挑む。こうした姿勢が見られないと「用意不足」と判断されてしまい、それが面接の合否を左右する。ある面接担当者は、「どのような仕事においても、事前の準備をする習慣は必要。面接できちんと準備ができない人は、きっと仕事でも怠るだろうと見られる」と語る。
実際のところ企業が人材に求めるものは、実力+α。仕事上の実力は、企業人としての最低条件にすぎず、面接ではそれ以外の要素が重視されることが多い。とりわけ重視されるのが、コミュニケーション能力だ。
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