「U35男子マーケティング図鑑」

「30女」と「平成男子」の「病」
〜「男」と「女」の幸せが交差する世代

石原壮一郎氏×深澤真紀氏 その1

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2008年1月16日(水)

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平成男子図鑑 〜リスペクト男子としらふ男子30女という病−−アエラを読んでしまう私の悲劇

──本サイトでの連載「U35男子マーケティング図鑑」から誕生し、ご好評いただいている『平成男子図鑑 〜リスペクト男子としらふ男子』をとっかかりに、日経ビジネスオンラインでは、筆者の深澤真紀さん(近刊は『思わず使ってしまうおバカな日本語』)をホストに、城繁幸さん(『若者はなぜ3年で辞めるのか』)、阿部真大さん(『搾取される若者たち』)、倉田真由美さん(『だめんず・うぉ〜か〜』)と、男子論、世代論の対談や鼎談を掲載し、多くの方にお読みいただきました。

●城さん、阿部さんとの鼎談は 「なぜ若者は搾取されて3年で辞めるのか?」から
●倉田真由美さんとの対談は 「だめんず」と「平成男子」〜知らないことが、怖くない」から、お読みいただけます
●深澤さんの最新連載は、こちらから→ 「自分をすり減らさないための人間関係メンテナンス術」、「くらたまとフカサワのアジアはらへり旅

 今回のゲストは石原壮一郎さん。新刊の『30女という病−−アエラを読んでしまう私の悲劇』で、年代的に「平成男子」と重なる世代を、「女子」という違った角度から分析されています。『平成男子図鑑』は石原さんが原型を作られた図鑑型を採用した本ですし、この機会に先輩である石原さんと議論を交わしていただきたいと思います。

── お互いの著書を読まれた感想から伺えますでしょうか。

深澤 『30女という病』に書かれている「30女」は、私たちバブル世代に近い感じがしました。30そこそこというより、バブル世代に近い30代後半女ではないでしょうか。

石原 そうですね、30代後半に強く表れている傾向かもしれません。

深澤 「バブル女」と酒井順子さんの発見した「負け犬」と合体して、30女が発見された感じが……。

石原壮一郎氏

石原壮一郎氏

石原 新大陸みたいにね(笑)。

 民族学者なんかが田舎に行って、「この地方のお年寄りは、こういう特徴がある」とか、風土病のようなものを発見したりしますよね──。

深澤 30女は風土病ですか、なんという言い方を(笑)。

石原 都会の30女には独特の風土病があって、病気に冒されている本人も「おかしいな」「この症状はうっとうしいな」と思っている。その症例を集めて勝手に分類して、名前を付けて、処方箋まで出してしまったという。誰にも頼まれてないのに(笑)。

深澤 ただ、この世代は難しいターゲットなので、石原さんも書き方にすごく気を使っていらっしゃいますね。

頑張りすぎる悲劇

石原 「30女はこういう病ですよ」と正面から言っても、絶対聞いてくれないと思うんです。だから、「半分冗談ですよ」「本当は皆さんのことが大好きなんですよ」ということを強調してみてはいるんですが。

深澤 30女は難しいんです。わかってあげても怒るし、わかってあげなくても怒る(笑)。

 私は編集者として、この世代の女性に関する仕事を多く手がけてきて、彼女たちのその難しさが面白いと思っていましたが、たまに、あなたたちにはちょっと付いていけない、と思うこともあります(笑)。

石原 僕は男だからかもしれませんけど、30女に対してもうちょっと甘い見方で。

 この本の無理やりに見える持ち上げ方もあながちウソではなくて、本気でそう思っている節もあるんです。

 一生懸命、自分の立ち位置を見つけようとか、自分の居心地のいい状態をつかもうと頑張りすぎるが故に、ウイルス感染を引き起こしてしまうのかな?って。

深澤 そうですね。彼女たちは基本的に頑張り屋さんだし、努力家だし、まじめだし。

石原 男性のほうが「自分」から目をそらすのが得意ですよね。

深澤 ええ。実は私、30女たちには責任を感じているところもあります。

 私たちバブル世代のマスコミ女たちが、力があり過ぎた──力といっても権力じゃなくて、声が大きいとか、妄想力が強いとか。

石原 確かに、そういう特徴は無きにしも非ずかと……。

深澤 私たちバブル世代が学んだ方法論を、20代、30代の女の子たちにメディアで喧伝してしまった。それで、まじめな女の子たちが言いなりになっているのでは?という気がして。

 例えば「30女」に書いてある「この店、味が落ちたわ」みたいなことを言うのはまんまバブル女ですし、バブル女の膿みが今、30女に出ちゃったのかなという感じがしています。

石原 ただ30女も、「バブル女」を素直に「リスペクト」しているわけじゃありません。

 影響力が大きい人の真似をしても、いまいちしっくりこない。あの人たちはこのまま突き進んで大丈夫なの?とか、あの人たちみたいになるのは嫌だと思ったり。

 反面教師にするだけの元気があればいいんですが、据わりの悪さを感じながらも、どう逃れればいいのかわからずにもがいていると悲劇ですね。

 バブル女はその居心地の悪さが病というには血となり肉となり過ぎていて、普通の状態だったんですけれど、30女はそれを中途半端に受けて、中途半端に逃れようとしているおかげで、病になっているのかなと思ってるんです。

深澤 そうですね。負け犬に対して恐怖心を持っているのはバブル女ではなく、その下の20代後半から30代前半ぐらい。彼女たちは、負け犬になることをノストラダムスの大予言みたいに恐れています。

石原 (笑)ですよね。

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著者プロフィール

深澤 真紀(ふかさわ・まき)

深澤 真紀

コラムニスト・編集者。企画会社タクト・プランニング代表取締役社長。1967年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。卒業後、いくつかの出版社で編集者をつとめ、1998年、企画会社タクト・プランニングを設立。日経ビジネスオンラインで2006年に「草食男子」や「肉食女子」を命名、「草食男子」は2009年流行語大賞トップテンを受賞し、国内だけはなく世界で話題になる(『草食男子世代−平成男子図鑑』(光文社知恵の森文庫)に収録)。日経ビジネスオンラインの連載をまとめた『自分をすり減らさないための人間関係メンテナンス術』(光文社)、『考えすぎない生き方』(中経の文庫)、『女はオキテでできている―平成女図鑑』(春秋社)など著書も多数。そのほかの連載に、「深澤真紀の平成働き女子のための処世術」、「深澤真紀の草食の時代」、「草食男子も悪くない」など。



このコラムについて

U35男子マーケティング図鑑

「最近の若い男は本当にダメだな」「最近いい男がいないよね、使えないし」「最近の若いやつらにはなにが受けるか分からない」。よく聞く話ですが、本当に最近の若い男性は、そんな存在なのでしょうか?もしかしたら、彼らと付き合う側が、彼らの行動原則をきちんと見ていないことにも、原因があるのかもしれません。この連載では、団塊ジュニアをはじめとした1970年以降に生まれたUNDER35世代を、「U35男子」と名付け、その生態や行動原則、活用法などを考えていきます。

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