テーマはモチベーションのままなのだが、今日は、その話に入る前に、まずは僕の大事にしている格言からスタートしたい。

これは、事業再生の現場で、僕が、主に失敗から教わった、極めて示唆深い教訓なのだが、この味わいを共有してもらうために、いつもの如く、まずは質問から。
事業再生の現場で、いわゆるベスト・プラクティスの手法を導入するとどういうことがおこるでしょうか?
実は、事業再生×ベスト・プラクティス=何の変化も創り出せないばかりか、前より酷くなることがよくある。事業再生の現場では、なぜか、お手本となる好循環(right ways)を要素分解してベスト・プラクティスを炙り出し、それを真似るという一見効果的と思われる手が通用しないのだ。
もちろん、再生計画の準備として、モデルとすべき事業活動の好循環は見極めなくてはならない。しかし、再生事業が目指すべき好循環(right ways)と、その好循環に到るために必要な手段(right means)とでは、まったく違うのだ。
好循環に到達するためには、お手本となる好循環を目指しつつも、組織と状況に合せて、難易度や道筋を見極めた上で、適切な第一歩を選択し、なによりも、その第一歩を成功させなくてはならない。そうしなくては、そう、何も始まらないからだ。
そして、第一歩が成功したなら、次は、どの手段から展開していくか、丁寧に、小さな成功のシーケンスを重ね合わせていくのだ。やがて、それが自信と変わり・・・。まあ、その後はいいとして、このデリケートな導入部分が、再生初期段階の一つの山場なのである。
ゆえに、この格言は、僕にとって、失敗が教えてくれた大事な再生のノウハウとも言えるのだが、これは別に、再生に限った話でないようだ。
というのも、友人とのモチベーションに関する対話が、大枠、これまでまとめてきた通り、

このような構図に収束してきた時のことだ。彼の口から、
「なるほど。でも、俺のできることは、いったい何なのだろう?」
という言葉がこぼれたのだ。きっと、例の構図のように、モチベーションを取り巻く全体像が掴めてくると、自分が主体的にやれる範囲が、相対化され、

この部分に他ならないと、しっかり腹決めができ、そう認識ができればできるほど、翻って、身近な所から、はじまりをみいだすこと、今日のこの日をはじめの日と心に刻み、きっちりと、はじめていくことの困難さに気づいたのだ。
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