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娘が「理系に進みたい」
あなたが親なら、どうします?

  • 中西 佳世子

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2008年3月31日(月)

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 なぜ日本の大学には、理系の女子学生がこんなに少ないのだろう。

 東京大学のデータによると、学部全体の学生数1万4241人のうち女子学生は2759人。女性比率は19%で、東大生の5人に1人は女子学生(2007年)だ。この数字自体は決して少なくない。

 だが、学部(後期)ごとに女性の比率を見てみよう。文系は教育学部の41%を筆頭に、文学部36%、教養学部32%、法学部22%、経済学部16%となっている。それに対して理系では、女性の一番多い薬学部でも31%、以下農学部25%、医学部22%、理学部11%、そして最も女性比率の少ない工学部では8%、12人に1人以下である。

 これは何も東大に限った話ではない。この数年間に出た文部科学省など複数の調査を見ても、女子大生比率は医学薬学系で30%以上になるものの、理学系で二十数%、工学系で10%前後と、理系の中でも特に理工系が低い値で推移している。そしてこれを世界と比較すると、OECD(経済協力開発機構)10カ国の調査で平均23%の中、日本は11%で最下位。しかも格段に低い最下位である。

設立記念講演会、会場の様子

設立記念講演会、会場の様子(写真:山下晃伸、以下同)

 企業で働く女性技術者をもっと増やそう、とよく言われる。だが、そもそも大学を卒業して社会人の入り口に立った時点で、理系の女子学生の数が少ないのだ。初期値が少なければ、その後は結婚や出産などの退職によって減ることはあっても増えることはない。

 女性技術者を増やすためには、もっとさかのぼって中学生や高校生のうちから、将来理系に進学する女子を増やすことが急務ではないか ――。2月23日に開催されたNPO法人(特定非営利活動法人)女性技術士の会の設立記念講演会では、こんな問題意識のもとに活発なディスカッションが行われた。

あの手この手で、女子中高生を理系に取り込む

内閣府男女共同参画局長の板東久美子さん

内閣府男女共同参画局長の板東久美子さん

東京大学男女共同参画オフィス特任教授・コーディネーターの都河明子さん

東京大学男女共同参画オフィス特任教授・コーディネーターの都河明子さん

栄設計勤務、東京農工大学非常勤講師の木村 了さん

栄設計勤務、東京農工大学非常勤講師の木村 了さん

 「NPO法人女性技術士の会」(以下、女性技術士の会)は、難関の国家資格「技術士」に合格した女性の有志が集まって、技術分野の横断的な組織として1993年に発足した。その後、活動の幅を広げようと2007年11月にNPO法人として新たにスタート。そのお披露目として2008年2月、笹川記念会館で講演会が開催された。当会の会員数は121人で、約半数を建設部門の技術士が占める(2007年1月現在)。

 冒頭、内閣府男女共同参画局長の板東久美子さんから、政府の取り組みが紹介された。男女共同参画社会基本法が施行されて約9年。国際的に見て日本の女性活用がきわめて遅れている実態を踏まえ、具体的な数値目標を掲げながら官民挙げての取り組みが進められている。

 その中で理系に関しては、例えば現在は12%しかいない自然科学系の女性研究者の採用割合を25%まで増やすことや、出産・育児と仕事を両立させるワークライフバランスの促進と並んで、女子中高生の理数への関心を高めるために、女性技術者との交流機会を設けたり、活躍する理系女性の事例を紹介したりと、多くの支援策が進められているという。

 続いて壇上に立った東京大学男女共同参画オフィス特任教授の都河明子さんは、多くのデータを使って理系の女性が少ない現状を示しながらも、政府による様々な支援策が拡充しつつある今こそ「理系女性はチャンス!」と応援する。

 都河さんの勤務する東京大学では、「キャリア確立10年の支援」と題して、現在東大で働いている女性研究者がキャリアアップを形成する10年間を重点的に支援するプランがある。それだけでなく、さらに「プレキャリア10年の支援」という女子中高生向けのプランまで用意してあり、オープンキャンパスや就職ガイダンス、あるいは女性研究者が活躍するDVDやパンフレットを作成して、理系女性のロールモデルを提供しているそうだ。

 そして、女性技術士の会のメンバーで一級建築士の木村了さんも、会として女子中高生の理系進学を促進するために「理系に行こう!」というDVDを作成し、イベントを開催していることを紹介した。木村さんによると、要請があればどこへでも、このDVDを持って “出前の説明会”をしに出かけているそうだ。しかし女子中高生も教師も、理系というと医学、歯学、薬学という固定観念が強く、DVDを見て初めて建築や化学などの分野の女性の活躍を知り、一様に驚くという。

 このように様々な試みが精力的に行われているのだから、さぞ理系に進む女子中高生が増えることだろうと思うが、話はそう簡単ではない。

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