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「出世を諦めたの?」、育児で「ウツ」に…。

「でも育休を取って良かった」と語る山田正人さん

  • 西山 昭彦,北湯口ゆかり

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2008年5月16日(金)

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 男性の新たな働き方が注目されているが、その1つとして、育児休業の取得がある。育児休業制度の規定がある事業所の割合は、従業員500人以上で99.9%であり、制度上は男女どちらが取ってもかまわない。ところが現実は、男性の育児休業取得率は0.50%(平成17年度女性雇用管理基本調査)と、一貫して低い水準にある。

 これはどうしてだろうか。女性が働いていないケースもあるが、男女とも働いている状況を想定した場合、1つには経済的理由が考えられる。男性の方が統計的に給与が高いので、男性が働き女性が休業したほうが家計の収入減が少ないということだ。

経済産業研究所の山田正人さん

経済産業研究所の山田正人さん

 そしてもう1つは、男性が育児休業を取りにくいと思う、職場の環境的な問題がある。男性社員が上司や人事部に育児休業取得の申し込みをした時、どんな反応をされるのか分からない。なんとなく、否定的な反応をされるような雰囲気を予想してしまう。

 そんな中、わが国のエリートの頂点に立つとも言える男性キャリア官僚で、育児休業を取得した人がいる。私(西山昭彦)は、一橋大学で『男女共同参画時代のキャリアデザイン』の講義を行っているが、4月の講師として来ていただいたのが、男性キャリア官僚として初めて育児休業を取得した山田正人さんである。山田さんの事例から、男性の育児休業について見ていこう。

育児休業取得を決意したのは「チャレンジ精神」

 経済産業研究所に勤める山田正人さんは、経済産業省商務流通グループ参事官室課長補佐だった2004年11月から1年間、3人目の子供ができたのをきっかけに育児休業を取得した。その間の日常を綴った体験記『経産省の山田課長補佐、ただいま育休中』(日本経済新聞社)も出版している。

 山田さん夫妻は同じ大学の同じ学部を卒業し、同期で経済産業省に入省したキャリア官僚だ。妻の淳子さんは、2年前に双子を生んだ時に育児休業を取得し、1年間仕事から離れて職場に復帰した。再びバリバリと仕事をしたいという意欲に燃え、ようやく軌道に乗りかけた矢先に第3子の妊娠が分かり、淳子さんは躊躇したそうだ。

 そんな様子を見て山田さんは、今度は自分が育児休業を取ろうと決めた。「それまでは、妻と同じように仕事をして、家事も対等にこなしてきたと思っていました。けれど、気がついたら妻への負担ばかりが大きくなっていた。最初の子供たちの時は当たり前のように妻が休みましたが、今のお互いの状況を考えたら、次は自分が育児休業を取るのが公平なのかな、と感じたんです」

 長期の休みを取るため、その意向を周囲に伝えると、様々な反応が返ってきた。職場では「それもいいんじゃないですか。正当な権利ですし」と、おおむね好意的だった。夫婦の勤務先が同じであるため、山田さん夫妻の家庭事情やそれぞれの仕事状況を周囲が知っていたことで、理解を得られやすかったこともある。

 しかし仕事関係者や友人などにも話を伝えるうち、心配と励ましの中に、一般男性が育児休業に対して抱いているだろう本音の声が聞こえてきた。

 何度も聞かされたのが、「君は出世をあきらめたのか」という声だ。他の友人からは「うち(の職場)だったら、男が育児休業を取るなんて常識的には考えられない」とも言われた。「生んでもいないのに、どうして休みがとれるんだ」と、出産休業と育児休業の違いを理解していない声もあれば、「いいリフレッシュ休暇になるね」と、育児に対する甘い認識を感じさせる声もあった。

 さらに直属の上司は、山田さんの育児休業は認めていたものの、届けを出す際に「えっ、1年も? 休んでも1~2カ月のことだと思っていたよ」と驚きさえしたのだ。

 こうした男性たちの声を聞くうち、山田さんの中にはある種の「チャレンジ精神」が生まれた。山田さん自身の、育児休業取得に対する思いが強固になったのだ。

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