前回まで上司や部下との人間関係のメンテナンス術を考えてきましたが、今回は同僚との人間関係について考えます。
同僚のように、「一見分かり合えていそうな関係」にも、メンテナンス術は重要です。
日本人は特に、同世代というだけで分かり合っている感じがしてしまうものです。そして、同世代や同じ立場である同僚とは「分かり合えている」という幻想がある分、彼(彼女)らとの人間関係がうまくいかないと、かえってショックやダメージも大きくなってしまうのです。
特に、普段から同僚を友人と思っている場合は、関係がこじれてしまうと、修復はなかなか難しいものです。
そもそも、同僚とは友人でしょうか?
同僚だからといって、別に友情を感じなくてもいいのです。単なる同期だったり、単なる同僚である、というだけで十分なのです。
同僚という関係に大事なものは、「仕事を一緒にすること」であって「友情を築き合うこと」ではありません。
もちろん結果として、同僚が友人になることもあるでしょうが、それを目標にする必要はありません。
社内恋愛や社内結婚をする人もいれば、しない人もいる。それと同じように、社内で友人をつくる人もいれば、つくらない人もいるというだけのことです。
そもそも、「友人」の方が「同僚」より価値が高いとは必ずしも言えないと思います。よい友人であるよりも、よい仕事仲間でいる方が価値があるかもしれません。
「相手のためと思っていることも結局は自分のため」というのは、とても重要なフレーズだと思います。このコラムでは友情を感じなくてもいいと、割り切る方法を提示していますが、著者は触れていませんが、友情を感じて対処する場合でも、上記のフレーズは肝に銘じなくてはならないことでしょう。友情を感じるからこそ、自分ひとりで抱え込まない、深入りしすぎないということが大切だと思います。(2008/05/22)