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【第27回】起業で失敗しないために(1)

本当にやりたい仕事がある人は、独立してはいけない

  • 深澤 真紀

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2008年5月29日(木)

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 前回では、企業で働く場合の上司や部下、同僚とのつき合い方について見てきました。今回からは、独立・起業したり、フリーランスで働く場合の人間関係のメンテナンス術について考えていきます。

 私自身、3つの会社で8年間の会社員生活を経た後起業して10年になります。また、周囲にも独立した人、起業した人も多くいます。そこで分かったことは、「本当にやりたいことがある人は、独立には向かない」ということです。

 「本当にやりたいこと」には、予算も人手も必要です。社会的な信頼も必要になります。そういうものを実現するには、組織に所属していた方がよいのです。
 
 組織には、予算があり人手があり社会的な信用があり、何より「失敗する余力」があるからです。独立した人間には、やる気はあっても、失敗する余力はあまりないものです。

 強い出資者などがいない限り、「具体的にやりたいこと」があるならば、独立してフリーになることを考えるより、組織の中でそれを実現する方法を考えた方が早いし確実なのです。

 では、独立することに向いているのはどういう人でしょうか。それは「やりたいことがある人」ではなくて、「やりたくないことがある人」です。

組織では「やりたくないこと」もやらなければいけない

 「やりたいことがある人は組織の中で働くべき」「やりたくないことがある人は独立すべき」。…この考え方は、一般的なイメージとは逆かもしれませんが、その方がうまくいくことが多いのです。
 
 組織というのは、自分がやりたくない仕事があっても、社命でやらざるを得ないことがあります。また、今は好きな仕事をやっていても、上司が代わったり異動したりすることで、やりたくない仕事をやらなければいけないことも出てきます。
 
 ですから、組織の中で働くのに向いている人というのは、相性の悪い上司や部下と組むことになったり、異動で自分が望まない部署に配属されても、「組織にいるのだからこれも勉強だ」「これも自分の人生には必要だ」と思える人です。

 しかし、仕事に対する自分の理想を持ちすぎたり、理不尽だと感じることに頭を下げることができなかったり、どうしても異動したくない部署がある…という人は、会社にいるだけでも、“すり減ってしまう”ものなのです。私自身がそうでした。

コメント11件コメント/レビュー

起業もそうだとは思うが、これは人間関係や友情、愛情にも適している考え方だと思う。やりたくないことある人が起業する、というのはまさしくその通りで、会社の仕事を普通に出来る人はそこにいればいいのだと思う。ネガティブな方面から押してゆくほうが相手を嫌いになる可能性は少ないのは確かだろうと思います。いい内容でした。(2008/07/05)

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いただいたコメント

起業もそうだとは思うが、これは人間関係や友情、愛情にも適している考え方だと思う。やりたくないことある人が起業する、というのはまさしくその通りで、会社の仕事を普通に出来る人はそこにいればいいのだと思う。ネガティブな方面から押してゆくほうが相手を嫌いになる可能性は少ないのは確かだろうと思います。いい内容でした。(2008/07/05)

相変わらず鋭いですね。 正にこの通りの理由で、自分は起業することがないと思うんです。 ITエンジニアという立場上起業する人が多いし、進めてくれる人が多いのですが、絶対に合わない自身があるのです。 在米なので、企業家に対する評価が以上に高い中、私はこれがいいの、と言い張るのも疲れますが、本当に合わないことをしたくないので。いつも楽しみに読んでます。これからも頑張って。(2008/06/03)

銀行の営業担当や支店長として、かなりの数の企業家たちと親しくさせていただき、それぞれの「来し方」をお聞きする機会も多々ありました。起業(独立)に至った動機はさまざまでしたが、やっぱり一番多かったのは「とにかく妻子を食わせるため」(戦後間もない頃から伊勢湾台風以前の創業者が多かったせいかもしれません)。ただ、動機はともかく確かに「儲けにかかわりなく、自分の趣味に合わないことはやりたくない」という、ある意味でわがままな社長さんや会長さんが多かったのも事実です。みなさんひととおり(大成功か小成功かは別にして)成功された方ばかりだったせいですかね。(2008/06/02)

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ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長