「眠れる人材を掘り起こせ」

協和発酵工業の「教えない教育」が
眠れる能力を目覚めさせた

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2008年6月6日(金)

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 「眠れる人材」は、社会や企業のそこここに隠れているだけではない。働く人の、「自分自身」の中にもいる。

 例えば、営業職として配属された人がいる。顧客先を訪問して懸命に自社製品の説明をしても、思うように受注につながらない。それどころか、顧客は説明を聞く時間すらなかなか取ってくれない。自分は営業に向いていないのだろうか。それとも、何か足りないスキルがあるだけなのか。何らかの手法によってそのスキルさえ身につけば、営業担当者としての能力が目覚め、花開くのだろうか…。

 社員教育の担当部門のマネジャーも思いは同じだろう。例えば、新入社員には一刻も早く基本的な業務スキルを身につけて一人前になってほしい。そのための教育は、現状のままでいいのだろうか。配属後はOJT(職業内訓練)任せで、「独り立ちまで3年」と言われている現状は果たして変えられないのか…。

新人教育の手法を大胆に転換

 そんな思いから出発して、教育手法を大胆に転換したのが協和発酵工業だ。医療関係者に対して医薬品の情報提供を行うMR(医薬情報担当者)を養成する新人教育を、3年前にガラッと変えた。さらには毎年、新手法に基づく教育の比重を増やし続けている。

 「同業他社さんも話を聞きに来られますが、なかなか同じようなやり方の導入に踏み切れないようです」と、医薬事業部門医薬営業本部の加藤隆・教育研修グループマネジャーは語る。その理由はいくつかある。1つは、この新しい教育手法に対して、教える側の意識がなかなか切り替えられないことだという。

 しかしもっと大きいのは、大胆に手法を変革してもその結果がすぐには分からないという点だろう。教育を受けた社員が現場に出てからの実績は、2年、3年経たないと分からない。数年前に受けた教育と現在の実績との因果関係を証明するのはさらに難しい。

 だが協和発酵には、ある「秘密兵器」があった。それがあったからこそ、初年度の導入教育の終了直後から「効果あり」と判定し、年を追うごとにカリキュラムを大胆に変え続けているのだ。

 この秘密兵器については後ほど説明するとして、まずは協和発酵のMR導入教育の大転換について紹介しよう。

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著者プロフィール

秋山 知子(あきやま・ともこ)

日経ビジネス副編集長。



このコラムについて

眠れる人材を掘り起こせ

国際的な人材争奪戦が始まっている。海外の優秀な人材の確保も大切だが、これからは日本人社員の能力向上や有効活用にも目を向けるべきではないか。このコラムでは、経営者や管理職が「眠れる人材」をどのように活用していくべきか、また自身のスキルアップをどのようにはかるべきかについて見ていく。

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