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文明の中での野生とは何か

~獣医師 齊藤慶輔~

  • 茂木 健一郎

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2008年6月10日(火)

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 今回お話をうかがった獣医師の齊藤慶輔さんは、北海道の釧路湿原でワシやフクロウなどの猛禽類の医師だ。事故に遭ったりして傷ついた猛禽類を治療し、再び野生に戻すためのリハビリもされている。

 単に身体が治るだけではなく、餌を自力で捕ったり、敵から身を守るという野生で生き抜くための能力を回復するためのリハビリも施す必要があるからだ。

 齊藤さんが保全医療に取り組んでいる猛禽類は、厳しい環境のなかで必死に生きている。例えば渡り鳥は、次の年に来てみたら環境がまったく変わっているということもある。そこでも一生懸命、ぎりぎりのところで生きる、あの覚悟があれば、人間だって大丈夫だと感じさせてくれる。それは齊藤さんがおっしゃる猛禽類の持つ「気高く生きる」ことにもつながる。

 今回、齊藤さんが強調されていたけれど、そもそも野生とはどういう状態なのかを我々は忘れてしまっている。動物の野生と文明の中に生きる現代人の野生は違う気がする。単にアウトドアに出かけるといったことではない。

 我々の仕事の現場での野生とは何かを考えてみる必要がある。ビジネスの世界に限らず、輝いている人は野生的に動く時間を持っている気がする。ずっと野生の生き物でいるというわけではなく、野生的でいる時間帯があるかどうか。

 こうした時間を持てるようなリハビリをすることは、おそらく個人にとっても社会にとっても大事なことなのではないだろうか。日本がなかなかイノベーションを起こせないとか、社会変革ができないのは、よく言われるように野生が足りないことにつながるのだろう。

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患者の無念、命の闘い
NHKの番組サイトへ
NHK総合テレビ
6月10日(火)午後10:00~10:45
・再放送
 総合 毎翌週火曜 午前1:00~1:44
     (月曜深夜)
 BS2 毎翌週水曜 午後5:15~5:59
 2千種以上の動植物が生息する生命の宝庫、北海道・釧路湿原。ここに傷ついた野生動物を専門に診る医師がいる。
 
 人呼んで、動物界の「ブラックジャック」。日本で数少ない野生動物専門の獣医師・齊藤慶輔(43)だ。
 
 治療するのは、オオワシやシマフクロウなど絶滅の危機に瀕した、いわゆる「絶滅危惧種」。齊藤は、交通事故や感電事故で瀕死の重傷を負った動物たちに、独自の治療を施し命を救う。その現場はまさに野生動物の「ER」だ。
 
 だが、齊藤の仕事は治療がゴールではない。目指すのは傷の癒えた動物を野生に帰すこと。リハビリを施して筋力を回復させ、さらに獲物をとるための闘争心など「野性の心」を呼び覚ます。そこまでやって初めて野生に戻すことが可能になる。
 
 この春、齊藤はこれまでになく困難な仕事に挑んだ。右目の視力を失ったオジロワシを野生に帰す試みだ。 視力の喪失は、猛禽類にとっては致命傷。果たしてワシは再び釧路湿原を舞うことができるのか。
 
 孤高の獣医師と、絶滅の危機に瀕する動物たちの知られざる命のドラマに迫る。


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