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学校改革で受験者数増
品川女子学院が生まれ変わった

品川女子学院 6代目校長 漆紫穂子さん(後編)

  • 白河桃子

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2008年7月9日(水)

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 28歳で家業の品川女子学院(当時品川中学、高校)に教師として着任した漆紫穂子(うるし・しほこ)さんは、“進学塾行脚”を始めた。受験生の多くは、塾に通っている。受験生のニーズを知り、学校の情報を伝えてもらうためにも、進学塾の力は無視できない。

 しかし、塾経営者の見る目は厳しい。「今さら改革なんて、もう遅いですよ」「手遅れじゃないですか」といった反応も返ってきた。私学でも、中高一貫を強く打ち出してこなかったことがネックになる。…そんな中、ある塾経営者が「これ以上落ちることはないのだから、安心して改革をどんどんやってみれば」と助言してくれたことで、漆さんの目からウロコが落ちた。

品川女子学院校長の漆紫穂子さん

品川女子学院校長の漆紫穂子さん(写真:山田 愼二、以下同)

 漆さんは、改革に成功した他校にも赴いた。同業者なのに、驚くほど親切にノウハウを教えてくれる経営者もいた。「あなた自身があきらめない限り、学校は大丈夫ですよ」、そんな励ましの言葉をもらったことも、漆さんの改革への意欲を支えた。

「私があまりにもモノを知らず、必死だったから、かわいそうだと思ってくれたのかもしれません(笑)」。若いが熱心な教師に、同じ私学の経営者として共感を持ってくれた人も多かったのだろう。漆さんの祖父も父も、私学の協会の役員を務めるなど、教育界では人望があった。

 私学回りで学んだ重要なことの1つが「経営」だ。「私学では、経営は大切。帳簿を読めるようになれば、校舎の立て替えなどの大きなお金が動く決断がしやすくなりますよ」。そう教えられて気づいた。漆さんは教師の教育は受けているが、経営は学んでいない。経理は母親が担当していたが、体調を崩してから経理を長期的な視野で統括する人がいなかった。その頃から、漆さんの中に「経営」というアンテナが1本立った。

 「アドバイスをもらい、話を聞けば聞くほど、あれもこれもやらなくちゃと欲張ってしまった。優先順位という言葉も知らなかったんです」。よそで聞いて「これはいい」と思うことを、漆さんは全部実行していく。しかし、次々に着手してもダメならすぐにやめる、即決即断である。年度の途中でも、うまくいかなそうだと思うものはすぐにやめた。

校庭で生徒たちと

校庭で生徒たちと

 「10やったことのうち8は失敗だったかもしれません。どんどんやってパッとやめるので、教職員同士で情報共有もできていなかった。訳も分からずに振り回される周囲は、大変だったと思います」。跡取り娘の取材をしていると、本人が改革を焦るあまり、周囲から浮き上がる時期を皆経験していることが分かる。漆さんはどうやって、改革のリーダーシップを取っていったのだろうか? 周囲の反対はなかったのだろうか?

 「心配はされました。誰もが、学校のためによかれと思うゆえの善意の反対だったのです」と漆さん。心配した先輩教師に、「居場所がなくなっちゃったらどうするの? 新任のうちは、3年間はおとなしくしていた方がいいですよ」と忠告されたこともある。だが漆さんも「学校を守るために」必死だったのだ。

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