「西山昭彦の“企業内プロ”の行動学」

西山昭彦の“企業内プロ”の行動学

2008年8月11日(月)

ダメ上司、ムダ上司の傾向と対策(1)
何でも素通し「スルー上司」、慎重すぎる「ブロック上司」

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 今回から「ダメ上司、ムダ上司」をテーマに、困った上司をタイプ別に分類し、それぞれの傾向と対策について述べていく。

 まずは、チームの長としてのチェック機能を果たしていない、ダメ上司の典型タイプを2つ紹介しよう。それは「スルー上司」と「ブロック上司」だ。

 「スルー上司」は、チェックを素通ししてしまうタイプだ。部下が作成した資料や報告書などを、自分の目できちんと確認することなくそのまま上に提出したり、客先へ持っていってしまう。一見、部下の能力を信頼して一任しているようにも見えるが、だからと言って上司が何もしなくていいわけではない。部下のミスにも気づかないなら、上司がいる必要はない。

チェック機能のない上司も、細かすぎる上司も困りもの

 こんな例がある。若い部下が、役員会議で使用する資料を作成した。スルー上司は、仕上がった資料をろくにチェックせずにコピーして会議で配った。ところが、うっかりミスで重要な内容が1ページ抜けていた。その結果、管理不行き届きとして、その部門の役員が謝罪し、部署全体がマイナス評価を受けた。これも、上司がチェックさえしていれば防げた事態だ。

 対する「ブロック上司」は、スルー上司とは逆に「チェックが細かすぎるタイプ」だ。リスクを負うこと、ミスをすることを恐れるあまり、部下が持ってきた文書を全部事細かにチェックして、その都度思いついたような直しを何回も入れてくる。

 実例を見てみよう。ある部下が新規の企画を提案する時、ブロック上司は、「横」と「前」を気にする。「横」というのは、例えば「同業他社」のこと。「他の会社では、どうなんだ」と業界の動きをくどいほど確認する。「前」というのは、「前例」だ。「以前はどうしてたんだ」と、過去のケースにこだわる。

 このように、ブロック上司は「横」と「前」を気にしすぎるあまり、何度も企画書を書き直させたり調査をさせたりし、このやり取りを繰り返しているうちに、部下はやる気がなくなり、モチベーションを下げてしまう。

 ではこうした上司には、どう対処したらいいのだろうか。

 スルー上司は、部下を信頼しすぎているか、面倒くさがっているかのどちらかだ。そこで、部下の側で「上司をコントロールする」ぐらいの気持ちで行動するといい。

 例えば文書を提出する際には、疑問点や不明点、確認しておきたい点などをまとめておき、先に伝えるようにする。「このように作成してみましたが、自分としてはこことここが気になっています」「問題点はここだと思いますが、どう思われますか」という具合に、上司の答えを促すように、部下の方からアプローチするといい。

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著者プロフィール

西山 昭彦(にしやま・あきひこ)

西山 昭彦

一橋大学社会学部卒。東京ガス入社後、ロンドン大学大学院政治経済学科およびハーバード大学政治学大学院に留学。社内ベンチャーで新会社を設立後、法政大学大学院社会科学研究科博士後期課程を修了し、経営学博士に。2004年から東京女学館大学教授、東京ガス西山経営研究所長に就任。人材開発、勉強法、キャリアデザインなどをテーマに、執筆や講演を行う。趣味は海外旅行、グルメ。著書に『企業内プロフェッショナルの時代』(プレジデント社)、『こま切れ時間活用術』(日本実業出版)、『女たちは管理職をめざす』(中経出版)、『40代で始める「最終戦略」ノート』(こう書房)など。(写真:いずもと けい)


このコラムについて

西山昭彦の“企業内プロ”の行動学

企業でプロとして仕事をするためには、どのように振る舞えばいいか。社内外の人間関係の構築や仕事の進め方について、多数のビジネス書を手がける経営学博士の西山昭彦が指南する。

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