「西山昭彦の“企業内プロ”の行動学」

ダメ上司、ムダ上司の傾向と対策(2)
「自己チュー上司」と「過保護上司」

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2008年8月18日(月)

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 「ダメ上司、ムダ上司」の第2回目は、部下の行動を制約しがちな2タイプ、「自己チュー上司」と「過保護上司」について見ていこう。

 「自己チュー上司」は、自己中心的な思考と行動を持つタイプ。「過保護上司」は、面倒見が良すぎて部下が育たないタイプだ。それぞれの行動パターンを具体的に見ていこう。

自分勝手な“暴君”と、優しすぎる“障壁”

 「自己チュー上司」は、まず自分の処遇と評価を気にする。そのため、自分の人事考課権を持つ上役の方ばかり見ており、自分の部下のことは眼中にない。“上下関係は絶対”という考えがあり、下の者は問答無用で上に従うべきだと思っている。仕事ではもちろん、就業後の飲み会などでも、部下を自分の子分のように扱いがちだ。自分自身、そのようにして上役に仕えているので、部下も自分をそう扱ってくれることを期待しているのだろう。

 行動も自己中心的な「自己チュー上司」は、単なる思いつきで「あれ考えてみろ」と指示したり、部下にどんどん命令したりするところもある。部下が忙しくなっても、お構いなしだ。自分が飲みに行きたくなれば、部下にたくさんの仕事を押しつけているのに「おい、行こうぜ」と強いる。部下としては、断るのは相当な覚悟が必要になるし、あえて断ればもちろん機嫌が悪くなる。

 見栄や意地もあり、意固地な面もある。自分の間違いを認めたがらないので、会議など、みんなの前で自分が決定した事項は翻すことができない。こういう「自己チュー上司」は、かなりの難物だ。

 対する「過保護上司」は、部下に優しく、面倒見がいい。しかしその優しさが、部下を甘やかす方向に働きすぎるのが問題だ。

 部下にとって試練となる局面で、黙って見守ることができず、早すぎる助け船を出してしまい、部下が「自力で乗り切る」機会を奪うことになる。結果的に、部下はスキルを高められず、成長を妨げられてしまう。

 上司の過保護傾向は、部下をどう扱っていいか分からない時にも表れる。男性上司によくあるパターンでは、女性部下を男性部下と同等に扱うことができず、女性に対しては「この交渉はハードだから、君はやらなくていいよ」と優しい言葉をかけて、負担になりそうな仕事を取り上げてしまう。「危なっかしくて見てられない」という思いからかもしれないが、部下に助けを求められてもいないうちに、先回りして手を貸してしまう。

 こうして過保護上司に甘やかされてしまった部下は、いつまでも難易度の高い仕事を覚えることができず、飛躍もできない状態が生まれる。善意からの行動であっても、長い目で見れば、部下にとってはやっかいな存在だ。

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著者プロフィール

西山 昭彦(にしやま・あきひこ)

西山 昭彦

一橋大学社会学部卒。東京ガス入社後、ロンドン大学大学院政治経済学科およびハーバード大学政治学大学院に留学。社内ベンチャーで新会社を設立後、法政大学大学院社会科学研究科博士後期課程を修了し、経営学博士に。2004年から東京女学館大学教授、東京ガス西山経営研究所長に就任。人材開発、勉強法、キャリアデザインなどをテーマに、執筆や講演を行う。趣味は海外旅行、グルメ。著書に『企業内プロフェッショナルの時代』(プレジデント社)、『こま切れ時間活用術』(日本実業出版)、『女たちは管理職をめざす』(中経出版)、『40代で始める「最終戦略」ノート』(こう書房)など。(写真:いずもと けい)



このコラムについて

西山昭彦の“企業内プロ”の行動学

企業でプロとして仕事をするためには、どのように振る舞えばいいか。社内外の人間関係の構築や仕事の進め方について、多数のビジネス書を手がける経営学博士の西山昭彦が指南する。

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