「西山昭彦の“企業内プロ”の行動学」

ダメ上司、ムダ上司の傾向と対策(4) 「仕事ロボ上司」「せっかち上司」「老兵上司」「脱線上司」

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2008年9月1日(月)

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 3回にわたり「ダメ上司、ムダ上司」をタイプ別に紹介してきたが、今回は筆者が実際に近くで見てきた、4人の「困った上司」のエピソードを見ていこう。

 1番目のA上司は、極端な「仕事ロボ上司」。抜群に仕事のできる人だったが、そこに一切の感情も感じられない。まるでロボットのように「無機質な仕事師」だった。

冷酷で周りに構わない「仕事ロボット」

 ビジネスパーソンは、多かれ少なかれ仕事に対して「思い入れ」を持っている。しかし、A上司にはそれがない。好きも嫌いもなく、冷静に仕事上の問題点を見極め、かなり強引な手段で突破していく。

 自分のプランに絶対の自信があるのか、周囲の言うことには一切耳を貸さない。抵抗勢力に対しては、企業トップである社長に直訴してでも説き伏せ、上から叩きつぶすという手段も用いた。取引先との交渉でも、相手を怒らせようが、一切妥協はしない。次々と改革を進め、敵を作ってもお構いなしだった。

 A上司にとって、仕事とはタスクの遂行であり、その他のことには価値も意味も見いだせなかったのだろう。自分が立てた戦略の完遂を目指し、先頭に立って、後に続く仲間を振り返ることもなく、ただ突き進み続けた。

 実績があるだけに上からの評価は抜群に高かったが、部下から慕われることはなかった。筆者もA上司と同じ部署に1年間いたが、勤務時間外のつき合いは全くなく、趣味などの個人的な情報も分からないままだった。無味乾燥で、何を考えているか分からない、どこか恐怖を感じさせる存在だった。

 こうしたタイプの上司の下では、部下も機械的になるしかない。他人と人間的な交流をする気がない相手なのだから、部下側がそれを求めても徒労に終わる。自分のタスク遂行に役立つ人間のみを評価し、そうでなければバッサリ切り捨てる。また、聞く耳を持っていないので、提案をしても無意味だ。

 こういう上司の場合はあくまでもサポート役に徹し、上司が発案したことをいかに補強できるか、どうやってうまく実行するかを考える。そのタスクに役立つ情報や人を提供することが務めと割り切って、コバンザメのように食らいついていくのが唯一の道だ。

思い入れの強すぎる「せっかち人間」

 B上司は人情味にあふれ、部下や周りのスタッフを大切にする。ただ、その仕事ぶりは、先に紹介した「ブロック上司」と「自己チュー上司」をミックスしたような人だった。

 大きな野望も持っていたB上司は、仕事に対する思い入れがものすごく強い。そして、恐ろしく“せっかち”だった。

 仕事の進み具合がいったん気になってしまうと、たとえ休日であろうと部下の携帯電話に「あの件はどうなっているんだ?」と電話をかけてくる。何事かと思って聞いてみると、「今度の会議に使う○○の資料は、準備できているか?」といった、ごく些細なことだったりする。

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著者プロフィール

西山 昭彦(にしやま・あきひこ)

西山 昭彦

一橋大学社会学部卒。東京ガス入社後、ロンドン大学大学院政治経済学科およびハーバード大学政治学大学院に留学。社内ベンチャーで新会社を設立後、法政大学大学院社会科学研究科博士後期課程を修了し、経営学博士に。2004年から東京女学館大学教授、東京ガス西山経営研究所長に就任。人材開発、勉強法、キャリアデザインなどをテーマに、執筆や講演を行う。趣味は海外旅行、グルメ。著書に『企業内プロフェッショナルの時代』(プレジデント社)、『こま切れ時間活用術』(日本実業出版)、『女たちは管理職をめざす』(中経出版)、『40代で始める「最終戦略」ノート』(こう書房)など。(写真:いずもと けい)



このコラムについて

西山昭彦の“企業内プロ”の行動学

企業でプロとして仕事をするためには、どのように振る舞えばいいか。社内外の人間関係の構築や仕事の進め方について、多数のビジネス書を手がける経営学博士の西山昭彦が指南する。

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