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【第32回】「自然に出会って結婚」はもう無理?

女性が結婚できない3つの理由(その3)

  • 白河桃子

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2008年10月29日(水)

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 前回までで、「結婚したいのにできない」という女性が必ず口にする3つの言葉を紹介した。3つの言葉とは、次のようなものだ。
1)「引っ張っていってくれる男性がいい」
2)「(結婚して)子供ができたら、しばらくは子育てに専念したい」
3)「(相手と)自然に出会いたい」

 今回は3)の、「自然に出会いたい」について見ていこう。私は、女性が結婚から遠ざかってしまう理由として、この言葉を口にするからではないかと以前から考えていた。

 今思えば、「自然に結婚するのが難しい時代」=「婚活時代」の到来に気がついたのは、2002年ぐらいだろうか? ちょうど『結婚したくてもできない男 結婚できてもしない女』(サンマーク出版)を上梓した時だ。

 それ以前は、自分も“晩婚組の負け犬世代”なので、私や周りの女性たちが未婚の時に感じるように「なぜ結婚できないのか? いい男がいないのか?」と考えていた。しかし『結婚したくてもできない男 結婚できてもしない女』で未婚男性を取材していると、「普通の男性が結婚していない!」ということを実感したのだ。

普通の男性たちが結婚しなくなった

 ここで「普通」というのは、性格的にも、経済的にも、ルックス的にも、何も問題がないという意味だ。ひと昔前なら、お見合いで「よいご縁ですねえ」と周囲に祝福されて、とっくに結婚しているタイプ。または、会社で最初に女性に捕まって社内結婚しそうなタイプ…。つまり周囲に背中を押されて、自然に流されて結婚していくタイプの男性たちである。

 自然に結婚できるはずの人が、なぜ結婚していないのか。その頃から「結婚には努力が必要で、自然に出会って結婚するのは難しいのでは?」と思うようになった。さんざん自分も嘆いてきた、「出会いがない」という状況の正体を見極めようと思ったのだ。

 同じ時期に東京大学の山下慎二先生のゼミを聴講し、「これからはラブインダストリー、風俗を含めた出会いビジネスに注目しなさい」と言われたことがきっかけになり、結婚情報サービス産業を取材するようになった。風俗取材はさすがにハードルが高かったが、結婚情報サービスなら身近だと思ったからだ。

 しかし結婚したいという女性たちに「結婚情報サービス」のイメージを聞くと、みな口を揃えて「そういうところに行くのはちょっと…。自然に出会いたいから」と言う。でも「自然に」とは、どういう意味だろう。どのような出会いを私たちは「自然」と言うのだろうか? 

 日本人の出会いに関しての調査資料を調べるうちに、だんだんと分かってきた。かつての日本人は、お見合いや社内結婚で結婚していた。社内結婚とは、決して自然ではなく会社が作り上げていた「集団見合い」のようなシステムだ。そのシステムが機能しなくなったのは1994年からと、国立社会保障・人口問題研究所の岩澤美穂さんらの研究で明らかになっている。

 山田昌弘・中央大学教授と『「婚活」時代』を上梓することで、「自然な出会い」と思われていたものは、社会や企業によって作られたシステムだったことがより明確になった。

 日本人は昔も今も恋愛下手で、誰かのお世話によって結婚していた。ナンパや、少女漫画のように街角でバッタリ出会った人と結婚まで持っていける恋愛力のある人の数は、昔から変わっていない。システムがなくなっただけで、日本は結婚難になってしまうのだ。自動的結婚システムなき今、結婚には「努力」が必要になったのだ。「出会いがない」の正体は「出会いのシステムの崩壊」だった。

コメント9件コメント/レビュー

いろいろ理屈はつけられると思いますが、「婚活」という造語が生まれた背景としては、やはり経済情勢が一番大きいと思います。次が、結婚していないと真人間扱いされないという社会的な圧力(差別意識)。今の中年以上の世代では、(結婚していても)子供の居ない女性に対する差別も根強く、男女双方にとって結婚は、選択肢ではなく、社会から受け入れてもらうため身に着けざるを得ない体裁だったと思います。例えそれが一層の経済的困窮を招くとしても。昔は今ほど、貧困層が、互いに分断され、貧困層が孤立する社会でもなかったでしょうし。(2008/11/04)

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いただいたコメント

いろいろ理屈はつけられると思いますが、「婚活」という造語が生まれた背景としては、やはり経済情勢が一番大きいと思います。次が、結婚していないと真人間扱いされないという社会的な圧力(差別意識)。今の中年以上の世代では、(結婚していても)子供の居ない女性に対する差別も根強く、男女双方にとって結婚は、選択肢ではなく、社会から受け入れてもらうため身に着けざるを得ない体裁だったと思います。例えそれが一層の経済的困窮を招くとしても。昔は今ほど、貧困層が、互いに分断され、貧困層が孤立する社会でもなかったでしょうし。(2008/11/04)

「結婚のメリット」という観点を議論することは否定できないでしょう。にわとりと卵のように「愛が先か出会いが先か」の堂々巡りには決着はつきません。この堂々巡りの金縛り状態から抜け出して「誰かを愛する」状態に至るためには、まず男女を「愛」にこだわらず「出会い」の場へと誘引する別のスターターが必要なのです。おそらく、記事で指摘されている自然な出会いを求めるという心理の中には、上記の堂々巡りの思考も少なからず影響しているはずです。(2008/10/30)

結婚の制度が意味を失いつつあるのではないでしょうか。実は思われているよりも必要性の低い制度だということであれば、それを支えるシステムが機能しなくなっていくことこそが自然な流れともいえます。そして必要性の低い結婚の制度を守るためには、不自然なシステムが求められるのかもしれません。(2008/10/30)

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三品 和広 神戸大学教授