戦前、日本国内には「帝国大学」が全部で7校あったことをご存じだろうか。いわゆる「七帝大」で、現在の名称で言うと北から順に、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学だ。いずれも長い伝統を誇り、学術の各方面でリーダーシップを取る学府である。
既に帝国大学は過去のものだが、それでもいまだに「旧帝大」と言うこともあるし、体育会系の7大学対抗戦を「七帝戦」とも言う。そしてこの7大学のトップは、みな学長ではなく総長と呼ばれる。

学士会館で行われたシンポジウムの様子(写真:吉田 明弘、以下同)
9月26日、その7大学の総長が一堂に会して、女性研究者支援の共同宣言を採択した。題して「七大学総長による "男女共同参画" に係る共同宣言」。会場となった学士会館(東京・千代田)は、帝大および7大学の卒業生だけが入会できる学士会の本拠地だ。学士会は1886年に創設され、現在は8万7000人余の会員を擁する伝統ある組織。今回、この学士会が旗振り役として7大学に働きかけ、共同宣言が実現した。
猪口邦子元大臣も飛び入り参加
この日のイベントのタイトルは「男女共同参画社会の実現に向けて―女性研究者支援を通じた基幹大学の役割―七大学男女共同参画・女性研究者支援部門合同シンポジウム」。
日本の研究者の女性比率はわずか12.4%で、欧米諸国の半分以下。女性研究者が少ないと言われていた韓国にも、昨年ついに抜かれてしまった。どうしたら女性研究者を支援できるのか。このテーマで4時間以上におよぶ盛りだくさんのプログラムが組まれ、男女共同参画に関係するキーパーソンが次々に登壇した。会場は多数の立ち見客が出るほどの大盛況で、女性ばかりになりがちなテーマにもかかわらず男性の視聴者が2割以上とかなり多い。

七大学の総長が共同宣言
前半は、井口洋夫氏(学士会常務理事)、板東久美子氏(内閣府男女共同参画局長)、泉紳一郎氏(文部科学省科学技術・学術政策局長)の挨拶に続いて、北澤宏一氏(独立行政法人科学技術振興機構=JST=理事長)の基調講演が行われ、次に7大学でそれぞれ男女共同参画および女性研究者支援の任に当たる7人の女性から、各大学の取り組みが順番に紹介された。
後半は、7総長がズラリと並んだパネルディスカッションの後、共同宣言を採択して閉幕。その後の懇親パーティーでは、少子化と男女共同参画を担当した猪口邦子氏(元内閣府特命担当大臣)が飛び入り参加するというサプライズもあった。
学術分野で男女共同参画を語るのに、これ以上はないと思えるほどそうそうたる豪華メンバーが揃うのは、100年以上の伝統を持つ7大学のネットワークの力だろう。今回の共同宣言は、これら7大学が協力し、7人の総長の連名で発信した点において画期的なできごとである。
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