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皆で作った目標も、次第に忘れてしまう。

日々の体験で、価値観を共有することが大事です

  • 漆 紫穂子

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2008年11月6日(木)

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 この連載の第1回で、品川女子学院では学校改革に関わる全員で目標を作ることで、気持ちが一つになったというお話をしました。しかし、これで「終わり」ではありませんでした。

 私は目標を作ったことで、みんなが一体になれたとほっとしていました。しかし、その後、まもなくいくつかの問題が浮かび上がってきました。一つは「目標を忘れてしまう」ということです。目標をみんなで作っている時は盛り上がるのですが、しばらくすると、その時の気持ちがだんだん薄れてくるのです。

 自分の目標でも同じですよね。年の初めに「今年はこれをやるぞ」と決めても、何カ月か経つと、忘れているということが少なくないのではないでしょうか。

理科の授業で(写真:筆者、以下同)

理科の授業で(写真:筆者、以下同)

 2つ目の問題は、「目標について各人の解釈が異なる」ということでした。例えば、ある人がミッションの中の「能動的」という言葉の意味を、「何でも生徒に任せればいい」と捉えてしまう。そうすると、本来は教員が管理すべき安全面への配慮が不十分になったり、躾が行き届かなくなったりと、「自主性」以前に必要なことが置き去りにされてしまうのです。この時私は、「目標は作るだけではだめで、“水をやり続けなければいけない”」ということを痛感しました。

 もちろん「言語化された目標」は必要です。しかし言葉だけでそれを共有すると、時間が経つにつれて記憶が薄れてしまいますし、言葉の解釈が個々人で異なり、起こす行動がバラバラになってしまいがちなのです。ではどうしたらいいのか。私は目標の文言だけでなく、背景にある価値観こそを共有しなくてはならないことに気づきました。

 ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社長の高野登氏から、組織運営に関するお話を聞いたことがヒントになりました。このホテルの顧客満足度の高さの秘訣は、「お客様のために行動する」という価値観を、すべての従業員が共有化していることにあるそうです。このため、「クレドカード」に記されている「ゴールドスタンダード」に則って、一人ひとりが自分の感性で、そのお客様が今一番喜ぶことをしてあげられるというのです。

 そうかといってマニュアルがないわけではなく、考え方としては、「守・破・離」と似ていて、徹底的にマニュアルを身につけるのが(守)、ゴールドスタンダード(クレド)の精神でマニュアルにはない行動を起こすのが(破)、最後に自分の感性で自分らしいサービスの型を創り上げるのが(離)だ、と教えてくださいました。

 この話を聞いて私は、ホテルとお客様の関係と、学校と生徒の関係はとても似ていると感じました。子供を預かる学校の場合、命に関わるような危険なことも起こり得ます。また、子供は叱る時もほめる時もその瞬間をとらえることが大切です。一人ひとりの教職員が目の前にいるその子のために、その時、その場でベストを尽くすことが必要で、事あるごとに上司に相談していては時を逸してしまうのです。

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