「白河桃子の「“キャリモテ”の時代」」

【第33回】草食系男子よ、武装を解こう

多くの女性にモテなくても、幸せになれる

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2008年11月19日(水)

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 『草食系男子の恋愛学』(メディアファクトリー)を書かれた、大阪府立大学人間社会学部教授の森岡正博さんと、「ダ・ヴィンチ」11月号で対談させていただいた。男性向けの「モテ指南本」「恋愛本」はたくさんあるが、この『草食系男子の恋愛学』ほど真実に迫り、実用的な本はほかにない。女性が読んでも気持ちがいい、唯一の男性向け恋愛本である。

 この本が出た時、「これこそ、婚活中の男性にぜひ読んでほしい」と思った。

 普通、男性向けの「モテ本」とは「いかに多くの女性を獲得するか」のために書かれているものだ。しかし本書は「好きな女性に振り向いてもらう」ための本だ。多くの女性ではなく「ただ1人の好きな女性」がターゲットであることが、一番のミソなのだ。

 しかも、男性への目線が優しい。壮年の男性が過去のモテ自慢を展開するのではなく、過去に「モテないという絶望」を抱え、モテる男性に「殺意」に近い気持ちを抱いた経験者が、「そんな時は、女性にこう言ってあげればいいんだよ」と後輩たちに語りかける、気持ちのこもった本だ。

草食系男子は、1人の女性を愛し続けたい

 まず草食系男子とは何か? 本書では「新世代の優しい男性」と定義されている。ガツガツと異性を求める肉食系男子とは違う。「異性と肩を並べて、優しく草を食べることを願う」男性たちのことである。

 よく女性誌などで男性を、「トラ型VS羊型」「肉食VS草食」などと定義しているが、それぞれ後者の方である。「強く、たくましく、勝つ」者が偉い、という「肉食系思想」の男性社会から見れば、草食系男子は「違う星の人」みたいに見えるだろう。

 私が取材した35歳以下の男性、特に20代男性には、本当にこういうタイプが増えているのだ。私が「キャリモテ女性」のよきパートナーと定義した「ワークライフバランス王子」に近い。一緒に仲良く草を食むように、仕事もプライベートも、女性と仲良く生活する男子。

 この本を読んだ時、「草食系男子とはワークライフバランス王子のことではないか」と思ったのだ。

 実際に森岡さんに聞いたところ、この本は「婚活本」ではないと言う。草食系男子が「モテるためのテクニック」ではなく「誠実さ」を武器に、好きな女性との深い恋愛の入り口に立つための本である。結婚までは目的とはしていない。

 しかし彼らは乙女チックに「愛するただ1人の女性とずっと一緒にいたい」と望む男子なのだから、「よき恋人」から「よき夫」になってくれる可能性も十分にあるのだ。

 多くの婚活中の女性たちの願いも、「自分だけを愛してくれる男性と家庭を築きたい」というものだ。実際にアラサー世代の女性の声を聞くと、「浮気する男性はイヤ」という気持ちがかなり強い。バブル世代は「モテない夫よりモテる夫」をよしとしたが、「モテ男性」は今、若い世代になるほど「人気急落」である。

 草食系男子と「浮気男がイヤ」な女性。この両者をうまくマッチングすれば、日本の結婚人口はまだまだ増えると思うのだが、女性たちは相変わらず受け身で、草食系男子たちはもっと臆病である。両者とも踏み出さなければ、何も起きはしない。そこで役立つのが本書である。

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著者プロフィール

白河桃子(しらかわ とうこ)

白河桃子

1961年東京生まれ、慶應義塾大学文学部卒業。結婚、少子化など女性のライフスタイルに関する取材を数多く手掛る。著書に『「キャリモテ」の時代』(日本経済新聞出版社)、『跡取り娘の経営学』(日経BP出版センター)、『「婚活」時代』(ディスカヴァー・トゥエンティワン )など。



このコラムについて

白河桃子の「“キャリモテ”の時代」

 未婚率の上昇と少子化が問題視される昨今、キャリアを積んだ女性たちが「モテ」て、幸福な結婚をするにはどうしたらいいか。このコラムでは、結婚に対する男女の意識を読み解いていく。 女性リーダーのための記事は「NBonline Women at Work」へ。

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