「西山昭彦の“企業内プロ”の行動学」

「移動時間」を有効利用する

“拘束状態”で効率化、創造性をアップ

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2008年12月8日(月)

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 ビジネスに効率性は不可欠だ。しかし、効率だけを求めるビジネスパーソンは、絶えず追い立てられているような慌ただしさにのまれて、いつか行き詰まり、疲れ果ててしまう。自分のヒューマンキャピタルを生き長らえさせるためには、効率と創造性をバランスよく取り入れることだ。

 創造性を高めるには、自由に思考を巡らせることが大切なので、時間と気持ちの余裕が必要だ。しかし、社内では雑務に追われてなかなか時間を作ることが難しい。そんな時に活用したいのが「移動時間」だ。

 今回は、移動時間を利用して効率と創造性をアップさせる方法を述べる。

「スキマ時間」の積み重ねで、効率を高める

 「アイデア出し」や「企画」など、創造性を求められる思考をするなら、静かなところで1人きりになって、ある程度の時間をかけて行う方がいい。

 「考える」という作業は、道具を使わず自分の身一つあればいいので、どこででもできる。しかし他の人と一緒の職場では、思わぬ邪魔も入りやすい。

 机の前で一生懸命アイデアを考えていたのに、電話がかかってきたり、同僚や上司に用を頼まれるなど、思考が中断させられることもある。また、思考を巡らせている時にはボーッとしているように見えるため、サボッていると思われたくないという心理も働く。

 忙しい人には、勤務中にまとまった時間を作り出すのも難しい。しかし、どれほど忙しいビジネスパーソンでも、1人になって考えごとができる時間がある。それが移動時間だ。

 ビジネスパーソンの移動は、次の3種類だ。
(1)行き帰りの通勤
(2)営業や外回りなど、他所への訪問
(3)出張

 (1)と(2)に関しては、日常の必須行為だ。この時間を有効に使えば、自分の仕事に効率と創造性をバランスよく取り入れることができる。

 移動中は、一種の“拘束状態”である。乗り物に乗ってしまえば、目的地に着くまではそこから逃げられない。その中でできることは、限られる。しかし、できることはある。

 まず、前回も述べた通り、資料を読んだり校正をするなど、デスクでしなくてもいい作業をこなして効率をアップすることができる。

 一方で、アイデアを考えるための格好のシンキングスペースにもなる。頭を働かせるだけなら道具はいらない。考えたことをあとで記録するための、小さなメモ用紙と筆記用具があれば十分だ。

 この時、はっきりとした課題を立てると考えに集中しやすい。例えば、新規開拓を狙っている顧客にどのような態度で接したらいいか、今日の会議で自分に提案できることはないか、明日提出する予定の資料の構成はどうするかなど、できるだけ明確な課題を決めることだ。

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著者プロフィール

西山 昭彦(にしやま・あきひこ)

西山 昭彦

一橋大学社会学部卒。東京ガス入社後、ロンドン大学大学院政治経済学科およびハーバード大学政治学大学院に留学。社内ベンチャーで新会社を設立後、法政大学大学院社会科学研究科博士後期課程を修了し、経営学博士に。2004年から東京女学館大学教授、東京ガス西山経営研究所長に就任。人材開発、勉強法、キャリアデザインなどをテーマに、執筆や講演を行う。趣味は海外旅行、グルメ。著書に『企業内プロフェッショナルの時代』(プレジデント社)、『こま切れ時間活用術』(日本実業出版)、『女たちは管理職をめざす』(中経出版)、『40代で始める「最終戦略」ノート』(こう書房)など。(写真:いずもと けい)



このコラムについて

西山昭彦の“企業内プロ”の行動学

企業でプロとして仕事をするためには、どのように振る舞えばいいか。社内外の人間関係の構築や仕事の進め方について、多数のビジネス書を手がける経営学博士の西山昭彦が指南する。

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