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「今が踏ん張りどころ」と、伊香保の跡取り娘たち

伊香保おかめ堂本舗(4)

  • 白河桃子

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2008年12月24日(水)

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 伊香保おかめ堂本舗の4人の跡取り娘たちの中で、最後に伊香保に戻ってきたのが、いかほ秀水園3代目の飯野由希子さんである。取材の朝、飯野さんを訪ねると、キリリと勇ましい作務衣(さむえ)姿で出てきた。「動きやすいので、いつもこの格好です」。

いかほ秀水園3代目の飯野由希子さん

いかほ秀水園3代目の飯野由希子さん(写真:山田 愼二、以下同)

 いかほ秀水園は伊香保温泉の高台にあるので、ラウンジから赤城山、谷川岳、三国山脈の絶景のパノラマを望むことができる。玄関を入ると迎えてくれるのは、信楽焼きの狸の置物。館内に10匹いるという狸は、幸運の印ということだ。

 ホテル松本楼と洋風旅館「ぴのん」の若女将、松本由起さん(参考記事はこちら)、千明仁泉亭の千明恭子さん(参考記事はこちら)、そして3軒目の旅館であるいかほ秀水園を訪ねて、なぜライバルのはずの旅館の娘同士が仲良くやっていけるのかよく分かった。

 3つの旅館の個性が全く違い、上手にすみ分けできているのだ。例えば松本さんの「ぴのん」は英国調、千明仁泉亭は大正ロマンとモダンが同居、そして、昭和レトロで民芸調のいかほ秀水園。どの宿にもそれぞれの個性があり、それぞれのお客様がいる。

いかほ秀水園のフロントいかほ秀水園の部屋の中

いかほ秀水園のフロントと部屋の中。昭和レトロな雰囲気だ

 旅館の成り立ちも違う。飯野さんのいかほ秀水園は、3代前は石段街の土産物屋で、もっと遡ると米屋だった。代々、女系家族で婿取りをしてきて、米屋のお婿さんに屈強な男性が来たが、土産物屋になってから来たお婿さんは手先が器用な人。この人が、飯野さんの祖父に当たる。今もロビーを飾るちょうちんに描かれた字は、祖父の遺作。その息子として60年ぶりに飯野家に生まれた男子が、飯野さんの父の英世さんだ。

 「旅館が土産物を売るようになって、土産物屋は危機に陥り、そこで旅館に商売替えしたのが、うちの旅館業の始まりです」

 飯野さんは2人姉妹の長女。何となく「私が継ぐんだろうな」と思いながら育った。大学卒業時には「どうせ家業に戻るんだから、今のうちにほかで働こう」と就職活動をし、営業職を目指す。家業のサービス業はあえて避けた。

 しかし1999年当時は就職氷河期、流通会社や食品メーカーにことごとく落ち、落ち着いたのがスエヒロ商事。サービス業ではあるが、同族企業で、跡取り息子との年齢も近いことから、この会社への入社を決意した。いずれ家業に戻る飯野さんを「修業だから、いろいろ経験していけばいいよ」と育ててくれる懐の深さがあった。

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