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【2】“建前”を堂々と使いませんか

“本音”は夜中にチラシに書き出す

  • 深澤 真紀

バックナンバー

2009年1月5日(月)

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 あけましておめでとうございます。以下は、年始の「おみくじ企画」のために書いた原稿ですが、ここにも掲載したいと思います。

 今年の運勢は「吉」です。

 「今や、日本も世界も沈没する船だ」とはしゃぐ、メディアや識者たち。 それに踊らされて、「今は最低の世の中だ」と一緒に大騒ぎしてはいけません。 私たちは「日本や世界という船」の「乗客」ではなく「乗組員」です。 一人ひとりが「自分のために」、ひと漕ぎしていくことが大事です。

 「絶望」もしすぎず、「希望」も過剰に持ちすぎない方がよいのです。「理想」も小さくて十分です。「現実」を生きていく方が、大きなことなのです。 「大吉」な世の中も、維持し続けるのが大変なだけです。 もちろん「凶」でもなく、「吉」の世の中を維持していきましょう。

 さて、連載1回目に多くのコメントをいただき、ありがとうございます。この連載は、「私たちはみな、社会を動かしている歯車であり、そのことを卑下する必要はないし、正しく回っていけばいいのだ」ということがテーマです。

 「歯車であっても、人に動かされたり、使い捨ての歯車はイヤだ」というご意見がありました。その通りだと思います。「正しい歯車」というタイトルにしたのは、みなが社会に必要な歯車であり、すべての歯車が正しく回れば社会がきちんと動いていくのだという思いがあったからです。

 今、世の中は厳しい状況ですが、「しょせん歯車なのだ」と自分を卑下したり、「ほかの歯車なんか粗末にしていいのだ」と思ったりすることなく、すべての人々が「すべての歯車でどうやって回っていくか」を考え、この状況を乗り越えていければ、と強く思っています。

 社会を動かす歯車にもいろいろあります。大きな歯車、小さな歯車、少し錆びているものもあるかもしれませんし、チタンで作られたものもあれば、アルミで作られたものもあるでしょう。

 前の連載で紹介した「メンテナンス術」でいえば、例えば自分の歯車が錆びていたらその錆びを取ることがメンテナンスになりますし、素材が弱いことが気にかかるならば、メッキをかけたりするのもメンテナンスの方法です。

 一口に「歯車」と言っても、役割も素材も違うわけですから、メンテナンスの方法も人それぞれ違ってきます。歯車をどんどんチューンアップしたり大きくしたりしたい人もいる一方で、歯車をより小さくして役割を狭めて回ることを選ぶ人もいるでしょう。どちらでも構わないと思います。大切なのは、歯車が大きいか小さいかでもなければ、どんな素材でできているか、ということでもありません。

 自分をすり減らさず、そこそこほどほどにメンテナンスしながら、社会のために回転することが重要なのです。この連載では、この「歯車」という言葉と同じように、マイナスの意味で使われがちな言葉や考え方を取り上げ、それについても考えていきたいと思っています。

「本音と建前の使い分け」は不誠実か?

 

 「日本人の悪いところは?」と聞かれて、皆さんはどんなことを思い浮かべるでしょうか。

 「日本人には本音と建前がある」とは、よく言われますね。「思ったことをストレートに口にする」のが外国人のイメージなら、「本心を隠して建前を言って相手に合わせる」のが日本人のイメージでしょう。このイメージは、日本人自身も外国人も持っていると思います。

 「働くようになってから、なかなか本音を口にせず、建前だけを言うようになってしまった」と言う人もいるでしょうし、「あの人は建前ばっかり」と他人に対して、非難の気持ちを持つこともあるでしょう。

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松﨑 曉 良品計画社長