「品川女子学院・漆 紫穂子校長の やる気を高め、人を育てる(秘)メソッド」

年長者の理解を得て、組織を改革するには

皆様のご質問にお答えします(2)

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2009年1月8日(木)

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 前回に続き、今回は企業でお仕事をされている方からの、組織に関するご質問を中心にお答えします。すべての方にお返事できず心苦しいのですが、ほかの方からのご質問の答えとしても参考になるよう、内容をふくらませてお話しします。

質問1 品川女子学院の学校改革の初期の頃について、お聞きします。漆さんはご自分よりも年上の先生方の意識や既存システムを改革していく時に、どのようにして新しい提案を取り上げ、そして実行していったのかお教えください。

質問2 33歳、私立高校の教員をしています。高校での教員経験は2年目です。私の勤務校は、トップダウン方式というかワンマンで、会議も行われず、すべての指示が上から来ます。このような中で、教員のやる気は徐々に失われています。新しいことにチャレンジしようという仲間もほとんど見あたらず、個人の職域を最適化しようとする動きばかりになりがちです。私は、このような環境を変えていきたいと思っています。仲間づくりや改革へ動き出すためのスイッチについて、お聞きしたいと思います。

質問3 大手企業に勤務し10年目になります。私の会社は、旧態依然、年功序列の典型的な会社です。大きい組織ですが方針が決まっておらず、地方の支社や現場が困っています。まず、この組織がどういう方向に進もうとしているのか示さないと、地方や現場の人々は動きたくても動けず、結局は売り上げが達成できません。その問題点を上司に訴えても、聞く耳を持ってもらえません。私は会社を良くしようと思っているのに、「悪者扱い」されてしまっています。同年代の同僚たちは、私と同じ考えを持ってくれるのですが、40代以上の人には分かってもらえません。彼らの理解を得て、良い方向に進めるにはどうしたらよいでしょうか。

 ご質問をお送りくださったのは、現場で、会社を何とか良くしようと懸命になっているまじめな方々だと思います。ボトムアップで組織を変えていこうとすると、大変な時間と労力がかかるので、かなりフラストレーションがたまっていることでしょう。私も改革当初は20代だったので、状況はよく理解できます。

 私の考え方は、「トップでも、ミドルでも、ボトムでも、気づいてしまった人から始めるしかない」です。そして自分がどんな立場にあっても、その立場を分析してできることを探し、諦めず、人のせいにせず、やり続けていけば道は拓けると信じています。

 改革は「やるかやらないか」です。成功した組織や人から話を聞いて、「あそこは、あの人は、これがあるからうまくいったんだ」と、「特別な理由」を探してしまうと、それが言い訳になって前には進みません。

 「どうして自分ばかり…」と途中でキレたり、心が折れたりしないために必要なのは、「改革を何のためにやるか」という「志」です。この志が公(おおやけ)のものであれば、人の力も集まってきます。今の自分が持っているものだけで判断しないことです。改革当初私は無力でしたが、困った時、必要な時に、偶然とは思えないタイミングで本当に多くの方に助けていただきました。

 この話をし出すとあと20回くらい連載することになりそうなので、ご質問のお役に立ちそうな体験を選んでお話しします。

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著者プロフィール

漆 紫穂子(うるし・しほこ)

漆 紫穂子 品川女子学院校長。1961年東京都生まれ。中央大学文学部卒業、早稲田大学国語国文学専攻科修了後、都内の私立中高一貫校の教師を経て、1989年に品川女子学院へ。学校改革に参加し、7年間で中等部入学希望者数が60倍になった。2006年4月に父の跡を継ぎ、第6代校長に就任。趣味はトライアスロン。品川女子学院のウェブサイトで「校長日記」を執筆中。近著に、『女の子が幸せになる子育て』(かんき出版)がある。



このコラムについて

品川女子学院・漆 紫穂子校長の やる気を高め、人を育てる(秘)メソッド

学校再生に成功した品川女子学院6代目校長・漆紫穂子さんに、人材の育て方・伸ばし方について、学校教育に関する様々なエピソードを交じえてお話しいただく。また学校再生や現在の学校経営を通して、リーダーや経営者が持つべきビジョンについてもお聞きする。

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